シュトゥットガルト国際ヴァイオリンコンクール(Stuttgart International Violin Competition)の出場者24名が発表され、日本からは古澤香理(27歳)が選ばれた。第3回となる今回は2027年2月21日(日)から28日(日)まで、ドイツ・シュトゥットガルトで開かれる。
主催はドイツのガダニーニ財団(Guadagnini Foundation)。応募資格は1997年7月31日より後に生まれたヴァイオリニストで、国籍は問わない。数百件の応募から、事前審査で24名が選ばれた。
国籍別では中国と韓国が各6名で最も多く、米国の4名が続く。日本からの出場は古澤1名だ。
2月22日に1次予選 決勝は26日と27日の2部構成
出場者の受付は2月21日(日)。1次予選は22日(月)と23日(火)、2次予選は24日(水)で、会場はいずれもシュトゥットガルト音楽演劇大学(HMDK)。初日の22日は日本時間17時(現地時間9時)に始まる。
決勝は2日に分けて行われる。第1部は26日(金)に同大学で開催。第2部は27日(土)、リーダーハレ(Liederhalle)のベートーヴェン・ザールが舞台で、終演後に表彰式を予定している。
28日(日)には同じホールで閉会コンサートがあり、日本時間3月1日(月)3時(現地時間2月28日19時)に開演する。
演奏はこれまでの回も世界に向けてライブ配信されてきたが、2027年の配信ページはまだ公開されていない。ライブ配信で楽しめるコンクールは「ライブ配信される音楽コンクールの一覧」にまとめている。
下の映像は、主催者が公開した第3回の予告映像だ。
日本からは古澤香理 2023年イザイ国際音楽コンクールで第2位
古澤香理は1998年、マレーシア・クアラルンプール生まれ。4歳でヴァイオリンを始め、幼少期を中国、マレーシア、日本で過ごした。
2017年に桐朋女子高等学校音楽科(共学)を卒業後、ベルリン芸術大学でマーク・ゴトーニ(Mark Gothoni)に師事。2022年からはハンス・アイスラー音楽大学ベルリンで学んだ。
2019年の第7回仙台国際音楽コンクールで聴衆賞を獲得。2021年にはクロンベルク・アカデミーのアナ・チュマチェンコ賞を受け、2023年のイザイ国際音楽コンクールで第2位に入った。
2023年から2025年まではベルリン・ドイツ交響楽団のアカデミーに在籍していた。2024年度にはヤマハ音楽振興会の音楽奨学支援の対象者となり、2025年にはドイツ楽器基金のコンクールで受賞者に選ばれている。
出場者24名
出場者は次の通り(姓のアルファベット順)。
- Mariam Abouzahra(18歳、ドイツ/エジプト/ハンガリー)
- Jiachen Cao(20歳、中国)
- Sungmin Cho(25歳、韓国)
- Rokas Diržys(18歳、リトアニア)
- 古澤香理(Kaori Furusawa、27歳、日本)
- Seonglan Hong(25歳、韓国)
- Julia Jones(22歳、米国)
- Lorenz Karls(25歳、スウェーデン)
- Wenqi Ke(27歳、中国)
- Juyeon Diana Lee(22歳、韓国)
- Jinzhu Li(19歳、中国)
- Zi Yang Low(22歳、マレーシア)
- Boha Moon(20歳、韓国)
- Jason Moon(27歳、米国)
- Haerim Oh(27歳、韓国)
- Darius Preuß(22歳、ドイツ)
- Enrique Rodrigues(24歳、米国)
- Yuki Serino(20歳、イタリア)
- Norman Spaeth(23歳、ドイツ)
- Dindin Jingyi Wang(20歳、中国)
- Julia-Xiaozhuo Wang(19歳、中国)
- Haewon Yoon(21歳、韓国)
- Xunyue Zhang(22歳、中国)
- Alex Zhou(25歳、米国)
課題曲 2次予選に新作
伴奏は、予選ではピアノ、決勝では弦楽四重奏とオーケストラが務める。
1次予選の課題は3曲。J.S.バッハは無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番のアダージョか、第2番のグラーヴェを選ぶ。ほかはバルトークの無伴奏ヴァイオリン・ソナタより第2楽章〈フーガ〉と、ガブリエル・デュポン(Gabriel Dupont)の《春の一日(Journée de printemps)》。
2次予選では、シューマンのヴァイオリン・ソナタ第1〜3番から1曲と、パガニーニ、エルンスト、イザイの指定作品から1曲を選ぶ。さらに委嘱作品(このコンクールのために作曲を依頼した新作)として、アヴナー・ドーマン(Avner Dorman)の無伴奏曲《Schwung》も課される。
決勝の第1部では、アリアガ弦楽四重奏団(Cuarteto Arriaga de Banco de España)とシューベルトの《ロンド》イ長調 D438を共演する。第2部ではブラームス、ドヴォルザーク、メンデルスゾーン、シューマンの協奏曲から1曲を選び、ミハウ・ネステロヴィチ(Michał Nesterowicz)指揮のシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団と共演する。
優勝賞金3万5000ユーロ ガダニーニ作のヴァイオリンを3年間貸し出し
賞金総額は7万ユーロで、第1位の賞金は3万5000ユーロ。あわせて、ジョヴァンニ・バッティスタ・ガダニーニ(Giovanni Battista Guadagnini)が1743年に製作したヴァイオリン「ex-Reisenberg」が3年間貸し出される。楽器はRare Violins of New Yorkの提供。
第1位にはシュトゥットガルト・フィルハーモニー管弦楽団をはじめ、ドイツ各地のオーケストラとの共演やリサイタルの機会も用意されている。
第2位は1万6000ユーロ、第3位は1万ユーロ、第4位は6000ユーロ。新作《Schwung》の最も優れた演奏には、特別賞として3000ユーロが贈られる。入賞者は、その後3年間、演奏活動のマネジメント支援も受けられる。
審査員は9名で、委員長はクリストフ・ポッペン(Christoph Poppen)が務める。
ほかの8名は、Ilya Kaler、Harald Eggebrecht、Feng Ning、Ida Kavafian、Daniel Stabrawa、Friederike Starkloff、Ulf Wallin、Tianwa Yangだ。
コンクールは2021年に第1回、2024年に第2回が開かれ、国際音楽コンクール世界連盟(WFIMC)にも加盟している。第1位は2021年がEva Rabchevska、前回2024年がAnna Im。
日程や課題曲の詳細は公式サイトで確認できる。





