ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリン 開幕 齋藤碧・若生麻理奈・木村和奏が出場

ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール公式サイト
Image source: Henryk Wieniawski International Violin Competition

第17回ヘンリク・ヴィエニャフスキ国際ヴァイオリンコンクール(Henryk Wieniawski International Violin Competition)が、2026年10月8日(木)にポーランド・ポズナンで開幕した。日本からは齋藤碧、若生麻理奈、木村和奏の3名が出場し、10月9日(金)から12日(月)までのステージ1に臨む。

応募は36か国から252名で、予備審査は映像で行われた。公式サイトの出場者名簿とステージ1の演奏順に載る出場者は48名。出場者発表の時点の内容は5月30日の出場者発表の記事にまとめている。

10月8日に開幕演奏会 公式YouTubeで生配信

開幕演奏会は10月8日(木)の現地時間19時から、審査会場でもあるアダム・ミツキェヴィチ大学講堂(Aula UAM)で開かれた。出演はウカシュ・ボロヴィチ(Łukasz Borowicz)指揮のポズナン・フィルハーモニー管弦楽団。

独奏は韓国のチェリスト、キム・テヨン(Tae-Yeon Kim)。2026年のエリザベート王妃国際音楽コンクールで第2位と聴衆賞を受けている。曲目はシャウォフスキの《序曲》、サン=サーンスのチェロ協奏曲第1番、バツェヴィチの交響曲第3番だった。

大会の模様は主催者の公式YouTubeチャンネルで生配信される。提携する配信サイトやポーランドの放送局でも視聴でき、一覧は公式サイトの配信案内に掲載。ステージ1から決勝までの期間、ポーランドは夏時間で、日本との時差は7時間。

ステージ1の初日は10月9日(金)の日本時間17時(現地時間10時)開始。演奏順は9月9日の記者会見で抽選され、アルファベットの「N」から始まる順番になった。下の映像は開幕演奏会の録画。

Opening Concert | 17th Henryk Wieniawski International Violin Competition

ステージ1の出番 日本の3名は10月9日から12日

前回2022年の第16回では、日本の前田妃奈が優勝している。今回は日本の3名のほか、日本を含む複数の国籍を持つカスプシャック 舞彩 アレクサンドラも出場する。

出番の日時はいずれも公式の演奏順による。曲目のうち演奏が確定しているのはステージ1のみで、ステージ2以降は勝ち進んだ場合に弾く予定の曲目。

齋藤碧(Aoi Saito)

10月9日(金)日本時間20時30分(現地時間13時30分)に登場。初日の午前の部の最後の奏者。

曲目はストラヴィンスキーの《協奏的二重奏曲》。ヴィエニャフスキは《エコール・モデルヌ》Op.10より第8番と《華麗なるポロネーズ》第2番 Op.21を弾く。

1997年東京生まれ。東京藝術大学を経てベルリン芸術大学で修士課程を修め、現在はドイツのリューベック音楽大学に在籍する。勝ち進めばステージ4の準決勝でシベリウスの協奏曲、決勝でヴィエニャフスキの協奏曲第2番を弾く予定。

下の映像は主催者の公式紹介映像で、予備審査の録画から《華麗なるポロネーズ》第2番の一部を収める。

Aoi Saito | 17th Henryk Wieniawski International Violin Competition #wieniawski2026 #violin

若生麻理奈(Marina Wako)

10月10日(土)日本時間17時(現地時間10時)に登場。2日目の1番手。

曲目はJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番より第3・第4楽章。ヴィエニャフスキは《エコール・モデルヌ》Op.10より第5番と《ファウスト幻想曲》Op.20を弾く。

2007年生まれ。第91回日本音楽コンクールで第3位と岩谷賞(聴衆賞)を受けた。2025年の第13回シベリウス国際ヴァイオリンコンクールでは準決勝に進んだ。現在は桐朋学園大学の1年生。

準決勝と決勝の予定曲は齋藤と同じく、シベリウスとヴィエニャフスキ第2番の協奏曲。

下の映像も公式の紹介映像。予備審査の録画から《ファウスト幻想曲》の一部を収める。

Marina Wako | 17th Henryk Wieniawski International Violin Competition #wieniawski2026 #violin

木村和奏(Wakana Kimura)

10月12日(月)日本時間17時(現地時間10時)に登場。ステージ1最終日の1番手。

曲目はJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番よりフーガと、ミルシテインの《パガニーニアーナ》。ヴィエニャフスキは《エコール・モデルヌ》Op.10より第7番と《華麗なるポロネーズ》第1番 Op.4を選んだ。

2001年兵庫県宝塚市生まれ。4歳でヴァイオリンを始め、2021年からウィーン国立音楽大学で学ぶ。ジョルジュ・エネスク国際コンクールでは第3位に入った。

勝ち進めば準決勝でブラームスの協奏曲、決勝でヴィエニャフスキの協奏曲第1番を弾く予定。決勝に第1番を選んだのは、日本の3名のうち木村だけ。

下の公式紹介映像には、予備審査の録画から《華麗なるポロネーズ》第1番の一部が収められている。

Wakana Kimura | 17th Henryk Wieniawski International Violin Competition #wieniawski2026 #violin

カスプシャック 舞彩 アレクサンドラ(Maya Alexandra Kasprzak)

10月12日(月)日本時間3時(現地時間11日(日)20時)に登場。ステージ1の3日目の最後の奏者。日本を含む複数の国籍を持ち、ポーランドと日本の音楽一家の出身。

曲目はコリリアーノの《STOMP》とクララ・シューマンの《3つのロマンス》Op.22。ヴィエニャフスキは《エコール・モデルヌ》Op.10より第8番と《創作主題による変奏曲》Op.15を並べる。

審査委員長はニジョウ 日本から諏訪内晶子

審査員は10名。委員長はポーランド出身のバルトウォミェイ・ニジョウ(Bartłomiej Nizioł)で、自身も同コンクールの第1位入賞者。日本からは、1990年のチャイコフスキー国際コンクールで優勝した諏訪内晶子が加わる。

ほかに、2006年の第13回で優勝したアガタ・シムチェフスカ(Agata Szymczewska)が加わる。元アルバン・ベルク四重奏団のゲルハルト・シュルツ(Gerhard Schulz)も名を連ねる。

審査は4ステージ 準決勝の6名が入賞者に

審査は4ステージ制で、ステージ4は準決勝と決勝に分かれる。ステージ1(10月9〜12日)は25〜30分のプログラム。ヴィエニャフスキのカプリス(Op.10かOp.18から1曲)と、指定の作品から選ぶヴィエニャフスキ作品1曲(ピアノ伴奏)を含める。

ステージ2(13〜15日)には最大24名が進み、ソナタを含む45〜50分を演奏。選曲リストにはバツェヴィチ、リピンスキ、ルトスワフスキ、シマノフスキらポーランドの作曲家の作品が多く並ぶ。

ステージ3(17〜18日)は最大12名で、グレツキ、パヌフニク、ヴァスクス、ヴァインベルクの協奏作品から1曲を選ぶ。ステージ4の準決勝(20〜21日)では、6名がブラームスやシベリウスなどの協奏曲を弾く。決勝(22日)は3名がヴィエニャフスキの協奏曲第1番か第2番で順位を争う。

準決勝に進む6名は全員が入賞者(Laureate)となる。第1〜3位は決勝の3名から決まり、同順位は出さない規定。

優勝賞金は6万ユーロ 決勝は10月22日

賞金は第1位6万ユーロ、第2位3万ユーロ、第3位1万5000ユーロ。残る3名の入賞者にも各5000ユーロが贈られる。

特別賞のうち、ヴィエニャフスキの協奏曲の最優秀演奏には1万ユーロが贈られる。1962年に優勝した米国のチャールズ・トレーガー(Charles Treger)の遺族が設けた賞。ソナタと室内協奏作品の最優秀演奏にも、それぞれ特別賞が用意されている。

第1位には、2027年の入賞者ツアーとしてベルリンのフィルハーモニーやアムステルダムのコンセルトヘボウでの公演などが予定されている。

決勝は10月22日(木)で、日本時間23日(金)1時(現地時間22日18時)に始まる。翌23日(金)にはガラ・コンサート(第1回入賞者演奏会)。入賞者演奏会は24日(土)にポズナン、25日(日)にワルシャワ・フィルハーモニーでも開かれる。