ベルギーで開催されているエリザベート王妃国際音楽コンクール2026年チェロ部門は、準決勝(セミファイナル)を終えてファイナルに進む12名のチェリストを発表した。日本からは北村陽(Yo Kitamura)が選出され、日本人チェリストがこのコンクールのファイナルに進むのは2017年の岡本侑也以来およそ9年ぶり。ファイナルは5月25日から30日まで、ブリュッセルのボザール(Bozar)内ヘンリー・ル・ブッフ・ホールで開かれる。
12名はアントニー・ヘルムス(Antony Hermus)指揮のベルギー国立管弦楽団と共演し、2026年大会のために新たに委嘱された課題曲と自選の協奏曲を演奏する。委嘱作品は中国系作曲家ファン・マン(Fang Man)の「Four Odes to the Tidings of Flowers」。ファイナリスト全員がこの新作を演奏することになる。
各ファイナリストのセミファイナル演奏はエリザベート王妃国際音楽コンクール公式YouTubeチャンネルで公開されており、本記事でもアルファベット順に1本ずつ紹介する。
ファイナリスト12名 一覧
アンドリュー・イルーン・ビュン(Andrew Ilhoon Byun)
クララ・ディートラン(Clara Dietlin)
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テヨン・キム(Tae-Yeon Kim)
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北村 陽 (日本)(Yo Kitamura)
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リーランド・コー(Leland Ko)
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アルバロ・ロサノ・カメス(Álvaro Lozano Cames)
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リオネル・マルタン(Lionel Martin)
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クシシュトフ・ミハルスキ(Krzysztof Michalski)
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ディルショド・ナルジラエフ(Dilshod Narzillaev)
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エットレ・パガーノ(Ettore Pagano)
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イヴァン・センデツキー(Ivan Sendetsky)
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マリア・ザイツェヴァ(Maria Zaitseva)
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北村陽が9年ぶりの日本人ファイナリスト
ファイナルに進んだ北村陽は2004年生まれ、兵庫県西宮市出身のチェリスト。4歳でチェロを始め、山崎伸子、堤剛のもとで研鑽を積み、現在は桐朋学園大学ソリスト・ディプロマコースに在籍しつつ、ベルリン芸術大学でイェンス・ペーター・マインツ(Jens Peter Maintz)に師事している。
これまでに2017年の国際チャイコフスキー・コンクール・フォー・ヤング・ミュージシャンズ第1位、2023年の国際ヨハネス・ブラームス・コンクール第1位、同年の第92回日本音楽コンクール第1位ほか5特別賞、2024年のジョルジェ・エネスク国際コンクール・チェロ部門で日本人チェリストとして史上初の第1位、2024年のパブロ・カザルス国際大賞第1位など、国際舞台での実績を重ねてきた。2025年にはホテルオークラ音楽賞、出光音楽賞、齋藤秀雄メモリアル基金賞を受賞している。
使用楽器は1668年製の「カッシーニ」。上野製薬株式会社からの貸与による歴史的銘器で、小学5年から弾き続けている。最新情報は本人の公式サイトで発信されている。
第1ラウンドではナディア・ブーランジェ「3つの小品」とカイヤ・サーリアホ作品を、セミファイナルではアントン・クラフトのチェロ協奏曲ハ長調Op.4と、ハロルド・ノーベンの新作「Caffeine」、フランシス・プーランクのチェロソナタなどを演奏してきた。ファイナルでは委嘱新作と自選の協奏曲をベルギー国立管弦楽団と共演する。
エリザベート王妃国際音楽コンクールのチェロ部門で日本人がファイナルに進むのは、2017年に第2位を獲得した岡本侑也以来およそ9年ぶり。日本人チェリストの優勝はまだ実現していない。
賞金と審査員
上位6名には以下の賞金が贈られる。
- 第1位: 25,000ユーロ
- 第2位: 20,000ユーロ
- 第3位: 17,000ユーロ
- 第4位: 12,500ユーロ
- 第5位: 10,000ユーロ
- 第6位: 8,000ユーロ
審査員は議長のジル・ルデュール(Gilles Ledure)のもと、ナタリー・クライン(Natalie Clein)、ルール・ディールティーンス(Roel Dieltiens)、ヴァレンティン・エルベン(Valentin Erben)、オフェリー・ガイヤール(Ophélie Gaillard)、アンヌ・ガスティネル(Anne Gastinel)、ベンジャミン・グロリュー(Benjamin Glorieux)、マリー・アリンク(Marie Hallynck)、グレゴール・ホルシュ(Gregor Horsch)、アンッシ・カルットゥネン(Anssi Karttunen)、ダニエル・ミュラー=ショット(Daniel Müller-Schott)、シャロン・ロビンソン(Sharon Robinson)、ヤン・フォーグラー(Jan Vogler)、ジャン・ワン(Jian Wang)、ソニア・ヴィーダー=アサートン(Sonia Wieder-Atherton)の14名が務める。
コンクールの位置づけと配信
エリザベート王妃国際音楽コンクールは1937年創設、ベルギー・ブリュッセルで開催される国際コンクール。ピアノ、ヴァイオリン、チェロ、声楽の各部門を年ごとに持ち回りで開催し、ショパン国際ピアノコンクール、チャイコフスキー国際コンクールと並ぶ世界最高峰の一つとされる。チェロ部門は2017年に新設されたばかりで、今回が3回目の開催となる。過去の優勝者は2017年がヴィクトール・ジュリアン=ラフェリエール(フランス)、2022年がチェ・ハヨン(韓国)。
ファイナルの演奏はエリザベート王妃国際音楽コンクール公式YouTubeチャンネルで生配信される予定。日本との時差はファイナル期間中で7時間(夏時間)あり、現地で夜に行われる演奏は日本では翌日早朝にあたる。





