「合唱が強い小学校ってどこだろう?」と思ったとき、まず名前が挙がるのがNHK全国学校音楽コンクール(通称Nコン)の常連校です。
この記事では、第88回(2021年)から第92回(2025年)までの過去5年に注目します。全国大会の表彰台(金賞・銀賞・銅賞)に上がった10校を、最高賞ごとにご紹介します。
Nコンそのもののしくみや課題曲、ほかの部門の強豪校については、Nコン合唱コンクール もあわせてご覧ください。
過去5年(第88〜92回)全国大会 金・銀・銅獲得校一覧
過去5年のNコン小学校部門で全国大会の表彰台に上がった校を、年と賞の一覧で整理します。
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| 年 | 大会回 | 金賞 | 銀賞 | 銅賞 |
|---|---|---|---|---|
| 2025 | 第92回 | 目黒区立東山(東京) | 日野市立平山(東京) | 港区立白金(東京)、北上市立黒沢尻北(岩手) |
| 2024 | 第91回 | 日野市立平山(東京) | 港区立白金(東京) | 下関市立勝山(山口)、北上市立黒沢尻北(岩手) |
| 2023 | 第90回 | 目黒区立東山(東京) | 北上市立黒沢尻北(岩手) | 港区立白金(東京)、岡崎市立六名(愛知) |
| 2022 | 第89回 | 北上市立黒沢尻北(岩手・日本一) | 目黒区立東山(東京) | 港区立白金(東京)、伊万里市立伊万里(佐賀) |
| 2021 | 第88回 | 日野市立七生緑(東京・8回連続日本一) | 佐久市立野沢(長野) | 下関市立熊野(山口)、神戸市立桂木(兵庫) |
金賞獲得校
ここからは、過去5年で全国大会の金賞(Nコン小学校の部の「日本一」にあたります)を勝ち取った4校を、金賞を受賞した年の早い順にご紹介していきます。
1. 日野市立七生緑小学校
▶ 日野市立七生緑小学校合唱団の歌声(「あめにうたおう」)
まず挙げられるのが、Nコン小学校の部で第80〜88回まで8回連続金賞を獲得した合唱団です。これは大会史上最多の連続金賞です(第87回は新型コロナで大会が中止になったため除きます)。部員は80人を超える大きな編成です。
その歌声は専門家からの評価も高く、レコチョクやApple Musicでも実際に聴くことができます。
| 所在地 | 東京都日野市三沢 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立 |
| 編成 | 同声(4〜6年) |
| 部員数 | 80人超 |
| 過去5年の全国大会成績 | 2回出場(第88回金賞・8回連続日本一/第89回優良賞) |
| Nコン以外の主な実績 | 第80〜88回Nコン小学校の部 8回連続金賞(第87回は大会中止のため除く) |
代表年の演奏曲:
- 第89回(2022)課題曲「とどいてますか」/自由曲「花」(加藤昌則)
- 第88回(2021)課題曲「好奇心のとびら」/自由曲「何度生まれ変わっても君の恐竜になりたい」
2. 北上市立黒沢尻北小学校
▶ 北上市立黒沢尻北小学校合唱部の演奏(自由曲「ここよりもっと 星の見える場所があるなら ぼくたちは どこへだって行く」)
岩手県北上市の公立小学校です。合唱部は第89回(2022)から第92回(2025)まで、4年連続で全国大会に出場しています。
第89回では全国金賞(日本一)に輝き、続く第90回は銀賞、第91回・第92回は銅賞と、4年続けて全国の表彰台に上がりました。
編成は同声(児童合唱)。北上市は中学校(合同編成)でも全国大会に出場しています。
| 所在地 | 岩手県北上市 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立(市立) |
| 編成 | 同声(児童合唱) |
| 部員数 | — |
| 過去5年の全国大会成績 | 4年連続出場(第89回金賞・日本一/第90回銀賞/第91回銅賞/第92回銅賞) |
代表年の演奏曲:
- 第92回(2025)課題曲「あおい天使」
- 第91回(2024)課題曲「かわっただけだよ ヘンじゃない」
- 第90回(2023)課題曲「緑の虎」
- 第89回(2022)課題曲「とどいてますか」
3. 目黒区立東山小学校
▶ 目黒区立東山小学校合唱団の演奏(「未確認飛行物体」)
東京都目黒区の公立小学校です。新校舎の完成とともに合唱クラブが生まれ、近年の全国大会で金賞を受賞しています。
4〜6年生の同声合唱です。第90回(2023)・第92回(2025)で金賞を受賞しています。
| 所在地 | 東京都目黒区東山 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立 |
| 編成 | 同声(4〜6年) |
| 部員数 | 40人以上(4〜6年生) |
| 過去5年の全国大会成績 | 3回出場(第89回銀/第90回金/第92回金) |
代表年の演奏曲:
- 第92回(2025)課題曲「あおい天使」/自由曲「お日さま」(横山潤子/作詞 R.L.スティーヴンスン・訳 吉田映子)
- 第90回(2023)自由曲「ひかりのものがたり」より ああ ひまわり(横山潤子)
- 第89回(2022)課題曲「とどいてますか」/自由曲「まいごのひかり」(三宅悠太)
4. 日野市立平山小学校
▶ 日野市立平山小学校合唱団の演奏(「相棒」)
結成から2年で全国金賞を受賞した合唱団です。同じ日野市には、Nコン史上最多の8回連続金賞を持つ七生緑小学校もあり、ひとつの市から2校が全国大会で金賞を受賞しています。
第91回(2024)で金賞、第92回(2025)で銀賞を受賞しています。
| 所在地 | 東京都日野市平山 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立 |
| 編成 | 同声(4〜6年) |
| 部員数 | — |
| 過去5年の全国大会成績 | 2回出場(第91回金/第92回銀) |
代表年の演奏曲:
- 第92回(2025)課題曲「あおい天使」/自由曲「子どもの領分」(横山潤子/作詞 覚和歌子)
- 第91回(2024)課題曲「かわっただけだよ ヘンじゃない」/自由曲「鮎の歌」より 鮎の歌(湯山昭)
銀賞獲得校
ここからは、過去5年で金賞には届かなかったものの、銀賞で全国の表彰台に上がった2校です。
5. 佐久市立野沢小学校
▶ 佐久市立野沢小学校合唱部の演奏(「未確認飛行物体」)
1977年創部という長い歴史を持つ合唱団です。関東甲信越のなかでは、東京以外から定期的に全国大会へ進む唯一の小学校でもあります。
部員は3〜6年生で、朝の練習と放課後の練習を組み合わせて活動しています。「野沢小学校ありがとうコンサート」のように、地域へ向けた演奏会にも取り組んでいます。
| 所在地 | 長野県佐久市原 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立 |
| 編成 | 同声(3〜6年) |
| 部員数 | — |
| 過去5年の全国大会成績 | 2回出場(第88回銀/第91回優良) |
代表年の演奏曲:
- 第91回(2024)課題曲「かわっただけだよ ヘンじゃない」/自由曲「時とこころを超えたなら」より 何度生まれ変わっても君の恐竜になりたい(横山潤子)
- 第88回(2021)課題曲「好奇心のとびら」/自由曲「未確認飛行物体」(小改訂版)
6. 港区立白金小学校
過去5年すべてで関東甲信越代表として全国大会に進んでいる、唯一の小学校合唱団です。4年生以上の児童およそ80人が活動しています。
歌詞や旋律、それぞれの声部の役割を団員で話し合いながら活動しています。区民向けの演奏会など、地域での活動にも取り組んでいます。
| 所在地 | 東京都港区白金 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立 |
| 編成 | 同声(4年生以上) |
| 部員数 | 約80人(4〜6年) |
| 過去5年の全国大会成績 | 5回出場(第88回優良/第89回銅/第90回銅/第91回銀/第92回銅) |
代表年の演奏曲:
- 第92回(2025)課題曲「あおい天使」/自由曲「はじまり」(三宅悠太/作詞 工藤直子)
- 第91回(2024)課題曲「かわっただけだよ ヘンじゃない」/自由曲「道」(三宅悠太)
- 第90回(2023)自由曲「世界はつながりながら回っている」より 躍るミュージアム(大田桜子)
- 第89回(2022)課題曲「とどいてますか」/自由曲「求める木」(三宅悠太)
- 第88回(2021)課題曲「好奇心のとびら」/自由曲「もういちどの星」より もういちどの星(三宅悠太)
銅賞獲得校
最後に、過去5年で銅賞を受賞した経験のある4校をご紹介します。
7. 下関市立熊野小学校
▶ 下関市立熊野小学校合唱クラブの歌声(合同演奏「いのちの歌」)
山口県下関市の公立小学校です。合唱クラブは第88回から第90回まで、3年連続で中国代表として全国大会に出場しました。第88回(2021)の全国大会では銅賞を受賞しています。
過去5年の中国ブロック代表のなかで、銅賞以上に届いた数少ない小学校のひとつです。自由曲には吉田峰明や大田桜子の作品を選んでいます。編成は同声(児童合唱)です。
| 所在地 | 山口県下関市 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立(市立) |
| 編成 | 同声(児童合唱) |
| 部員数 | — |
| 過去5年の全国大会成績 | 3回出場(第88回銅/第89回優良/第90回優良) |
代表年の演奏曲:
- 第90回(2023)課題曲「緑の虎」/自由曲「生きてる地球」より 生きてる地球(大田桜子)
- 第89回(2022)課題曲「とどいてますか」/自由曲「歌の始まり」より 歌の始まり(吉田峰明)
- 第88回(2021)課題曲「好奇心のとびら」/自由曲「まあるい地球の君と僕」より まあるい地球の君と僕(吉田峰明)
8. 伊万里市立伊万里小学校
▶ 伊万里市立伊万里小学校の歌声(「翼をください」)
佐賀県伊万里市の公立小学校です。コーラス部は第89回(2022)から第91回(2024)まで3年連続で九州沖縄代表となり、第89回では全国銅賞を受賞しました。
これは過去5年の九州沖縄ブロック全部門を通じて、いちばんの成績です。編成は同声(児童合唱)で、第89回の自由曲は「いまの『いま』」でした。
| 所在地 | 佐賀県伊万里市 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立(市立) |
| 編成 | 同声(児童合唱) |
| 部員数 | — |
| 過去5年の全国大会成績 | 3年連続出場(第89回銅/第90回優良/第91回優良) |
代表年の演奏曲:
- 第91回(2024)課題曲「かわっただけだよ ヘンじゃない」
- 第90回(2023)課題曲「緑の虎」
- 第89回(2022)課題曲「とどいてますか」/自由曲「いまの『いま』」
9. 岡崎市立六名小学校
▶ 岡崎市立六名小学校の演奏(CBCこども音楽コンクール)
愛知県岡崎市の公立小学校です。合唱部は第90回(2023)に東海北陸代表として全国大会の舞台に立ち、全国銅賞を受賞しました。
自由曲は三宅悠太の「まいごのひかり」。過去5年の東海北陸代表の小学校のなかで、銅賞以上に届いた唯一の学校であり、愛知県の小学校としては久しぶりの全国入賞となりました。
| 所在地 | 愛知県岡崎市 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立(市立) |
| 編成 | 同声(児童合唱) |
| 部員数 | — |
| 過去5年の全国大会成績 | 1回出場(第90回銅) |
代表年の演奏曲:
- 第90回(2023)課題曲「緑の虎」/自由曲「まいごのひかり」(三宅悠太)
10. 下関市立勝山小学校
▶ 下関市立勝山小学校の演奏
山口県下関市の公立小学校で、同じ下関市の熊野小とともに全国大会に出場しています。過去5年では、第89回の特例出場を加えると延べ3回、中国代表となりました。
第91回(2024)の全国大会で銅賞を受賞しています。自由曲には大田桜子の「躍るミュージアム」や加藤昌則の「樹形図」を選び、第91回・第92回と2年続けて中国代表に入っています。
| 所在地 | 山口県下関市 |
|---|---|
| 設立区分 | 公立(市立) |
| 編成 | 同声(児童合唱) |
| 部員数 | — |
| 過去5年の全国大会成績 | 延べ3回出場(第89回優良/第91回銅/第92回優良) |
代表年の演奏曲:
- 第92回(2025)課題曲「あおい天使」/自由曲「樹形図」(加藤昌則)
- 第91回(2024)課題曲「かわっただけだよ ヘンじゃない」/自由曲「躍るミュージアム」(大田桜子)
- 第89回(2022)課題曲「とどいてますか」/自由曲「生きてる地球」より 生きてる地球(大田桜子)※特例で全国出場
過去5年の地域別傾向
過去5年で全国大会金・銀・銅を獲得した10校を、所在地のブロック別に集計します。
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| ブロック | 校数 | 内訳 |
|---|---|---|
| 関東甲信越 | 5校 | 日野市立七生緑(東京)、目黒区立東山(東京)、日野市立平山(東京)、港区立白金(東京)、佐久市立野沢(長野) |
| 中国 | 2校 | 下関市立熊野(山口)、下関市立勝山(山口) |
| 東北 | 1校 | 北上市立黒沢尻北(岩手) |
| 東海北陸 | 1校 | 岡崎市立六名(愛知) |
| 九州沖縄 | 1校 | 伊万里市立伊万里(佐賀) |
| 近畿・四国・北海道 | 0校 | — |
小学校部門の入賞校で最大の勢力になっているのは、東京の公立小学校です。関東甲信越の5校のうち、じつに4校が東京(日野市・目黒区・港区)の公立校で占められています。
次に目立つのが、山口県下関市の2校(熊野小・勝山小)です。過去5年の中国ブロック代表の小学校枠を、この下関の2校だけで分け合ってきました。
東北の北上市立黒沢尻北小は、4年連続で全国の表彰台に上がっています。東海北陸の岡崎市立六名小、九州沖縄の伊万里市立伊万里小は、それぞれのブロックで過去5年いちばんの成績です。
中学校・高校と違う小学校部門ならではの特色は、入賞校がすべて公立校だという点です。私立の小学校には、過去5年の全国大会で金・銀・銅を獲得した学校がありません。
同じ生活圏(市や区)に合唱クラブの伝統が長く根づくと、地域の公立小学校から金賞をねらえる合唱団が育っていきます。これが、過去5年の小学校部門に共通して見えてくる流れです。
まとめ
過去5年(第88〜92回/2021〜2025年)のNコン合唱・小学校部門では、合わせて10校が全国大会で金・銀・銅を受賞しました。そのうち4校(日野市立七生緑小・北上市立黒沢尻北小・目黒区立東山小・日野市立平山小)が、金賞「日本一」を勝ち取っています。
日野市立七生緑小の第80〜88回8回連続金賞は、Nコン史上最多の連続金賞です。そのあと第89回からは、黒沢尻北小(岩手)、東山小(東京)、平山小(東京)、ふたたび東山小(東京)と、金賞校が毎年入れ替わっています。
地域で見ると、東京の公立小学校と山口県下関市の2校に強豪が集まっているのが、いまの小学校部門の姿です。
各部門の強豪校は 【高校】Nコン合唱の強豪校 と 【中学校】Nコン合唱の強豪校 でご覧いただけます。大会のしくみ・課題曲・歴代代表校の全体像は Nコン合唱コンクール にまとめています。












