英豪のピアニスト、スティーヴン・ハフ(Stephen Hough)が、2027年開催のリーズ国際ピアノコンクールの芸術監督兼審査委員長に就任することが決まった。2027年9月8日から18日にかけて英国リーズで開催される第22回大会に向け、コンクールが招聘した。
リーズ国際ピアノコンクールは1961年にデイム・ファニー・ウォーターマン、マリオン・ハアウッド伯爵夫人(後のマリオン・ソープ)、レディ・ロズリン・ライオンズの3名によって構想され、1963年に第1回大会を開催。3年に一度開催される英国屈指の国際ピアノコンクールで、これまでにマリー・ペライア、ラドゥ・ルプー、ソヌ・イェクォン、アリム・バイセンバエフ、ジェイデン・イジク=ジュルコらを輩出してきた。2015年以降はポール・ルイスとアダム・ゲートハウスによる共同芸術監督制で運営されていたが、2027年大会からハフが単独の芸術監督兼審査委員長を務める。
2027年大会では、ハフの意向を強く反映した大規模な制度改革が実施される。書類・音源段階の匿名予備審査を導入し、課題曲を完全撤廃、参加年齢の上限を35歳に引き上げる。優勝賞金は5万ポンド(デイム・ファニー・ウォーターマン金メダル付)に引き上げられ、キャリア支援基金となる新設の「プライズウィナーズ・サークル賞」、現代音楽への「アンコール賞」、地域連携型の「リーズ・ピアノ・トレイル賞」なども新たに設けられる。ハフ自身は公式サイトで「何よりもまずやりたかったのは、レパートリー選択の自由を完全に開放すること。リーズでは、好きな曲を弾いていい」とコメントし、競技性より演奏家の個性発見を重視する姿勢を打ち出した。
ハフは1961年、英国チェシャー州(現メージーサイド)ヘスウォール生まれ。王立ノーザン音楽大学(Royal Northern College of Music)とジュリアード音楽院(The Juilliard School)で学び、現在は王立ノーザン音楽大学の国際ピアノ研究部門チェア、ジュリアード音楽院教員、王立音楽アカデミー客員教授、ケンブリッジ大学ガートン・カレッジ名誉フェローを兼任する。2001年にクラシック演奏家として史上初のマッカーサー・フェローシップを受賞し、2014年に大英帝国勲章コマンダー(CBE)、2022年にはナイト爵位(Knight Bachelor)を授与された。グラモフォン賞8回受賞、BBCプロムス出演通算30回など、演奏家・作曲家・文筆家として英語圏を代表する存在。2022年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールでは委嘱作品「Fanfare Toccata」を提供し、全出場者が演奏した。最新の活動情報は本人の公式サイトで発信されている。
2027年大会の応募締切は2026年10月31日。国際第1次予選は2027年3月30日から4月6日にかけて北京・ベルリン・ロンドン・ニューヨーク・パリ・ソウル・ウィーンの7都市で実施され、第2次予選と準決勝はリーズ大学グレートホール、コンチェルト形式の本選はロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニー管弦楽団(首席指揮者ドミンゴ・インドヤン)との共演でリーズ・タウンホールにて行われる予定。






