全日本吹奏楽コンクール 2027年度課題曲決定 朝日作曲賞は姫野七弦

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画像出典:全日本吹奏楽連盟

第36回朝日作曲賞の選考結果が2026年6月16日に発表され、東京都小平市の作編曲家・姫野七弦(25)の「ウインド・バンド・ネオン」が朝日作曲賞に選ばれた。

入選作品には、東京都品川区の会社員・後藤元信(26)の行進曲「パルナッソス」が選出された。両作品は2027年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲として演奏される。

さらに委嘱作品として、長生淳の「アルメリア」、ロバート・シェルドン(Robert Sheldon)の「Ascending the Snowcapped Peaks」が発表された。これにより、2027年度全日本吹奏楽コンクールの課題曲4曲が出そろった形となる。

海外作曲家への課題曲委嘱は、1978年の第26回全日本吹奏楽コンクールで委嘱されたロバート・ジェイガー(Robert E. Jager)、ウィリアム・フランシス・マクベス(W. Francis McBeth)以来、49年ぶりの実施。

2027年度課題曲4曲のラインナップ

2027年度の課題曲は、朝日作曲賞受賞作、入選作、委嘱作品2作の計4曲。

  • 「ウインド・バンド・ネオン」 姫野七弦(朝日作曲賞)
  • 行進曲「パルナッソス」 後藤元信(入選)
  • 「アルメリア」 長生淳(委嘱)
  • 「Ascending the Snowcapped Peaks」 ロバート・シェルドン(委嘱)

朝日作曲賞は1990年創設。全日本吹奏楽連盟と朝日新聞社が主催する公募コンクールで、受賞作および入選作が翌年度の全日本吹奏楽コンクール課題曲に採用される。今回は164点の応募作品から姫野七弦の作品が選ばれ、賞金100万円が贈られる。

朝日作曲賞 姫野七弦のプロフィール

姫野七弦(ひめの・なつる)は2000年生まれの作編曲家。横浜市立戸塚高等学校普通科音楽コース(マリンバ専攻)を経て、東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業。国立音楽大学大学院修士課程作曲専攻作品創作コースを修了している。

大橋征人、井元透馬、鈴木純明、渡辺俊哉、川島素晴、菊池幸夫の各氏に師事。作曲家グループSymnapse(シムナプス)のメンバーとして活動している。

吹奏楽分野では「21世紀の吹奏楽『響宴』」に第26回(2024年)、第27回(2025年)と2年連続で選出。2026年にはズーラシアンブラス作曲コンテスト2026で優秀賞を受賞している。代表作には「吹奏楽のための前奏曲」(CAFUAレコードより販売)、「空を飛ぶ家 管楽合奏のための組曲」などがある。最新の活動情報は本人の公式サイトで発信されている。

入選作の行進曲「パルナッソス」を手がけた後藤元信(ごとう・もとのぶ)は埼玉県出身の26歳。東京藝術大学音楽学部作曲科を2022年に卒業し、姫野と同じく作曲家グループSymnapseに所属する。2022年に第1回福島市古関裕而作曲コンクールで第2位、2023年には第53回JBA下谷賞佳作を受賞している。

委嘱作品の長生淳とロバート・シェルドン

長生淳(ながおい・じゅん)は1964年茨城県生まれの作曲家。東京藝術大学音楽学部作曲科を卒業、同大学院修士課程を修了し、永冨正之、野田暉行の両氏に師事した。2000年度武満徹作曲賞を受賞しているほか、第54回日本音楽コンクール作曲部門第2位など多数の受賞歴を持つ。

吹奏楽コンクール課題曲としては、2012年の第60回全日本吹奏楽コンクールで課題曲Ⅴ「香り立つ刹那 Un moment Parfumé」を発表しており、今回の「アルメリア」は2度目の課題曲作曲となる。「紺碧の波濤」「パガニーニ・ロスト イン ウィンド」など、自由曲としても高い人気を誇る作品を数多く手がけてきた。詳細プロフィールは全音楽譜出版社の作曲家ページで確認できる。

ロバート・シェルドン(Robert Sheldon)は1954年生まれのアメリカ合衆国の作曲家・指揮者。マイアミ大学でクリフトン・ウィリアムズ、アルフレッド・リードに師事し、フロリダ大学でリチャード・W・ボウルズに師事し修士号を取得した。2003年からはアルフレッド・ミュージック(Alfred Music)吹奏楽部門の出版責任者を務めている。

代表作に「フォール・リヴァー序曲(Fall River Overture)」「マナティー・リリック序曲(A Lyric Overture for Manatees)」などがあり、日本では1990年の第38回全日本吹奏楽コンクールで春日市民吹奏楽団(福岡県)が自由曲として「ダンス・セレスティアーレ(Danse Celestiale)」を演奏した実績がある。教育的配慮に富んだ吹奏楽作品から上級者向けシンフォニック作品まで幅広いレパートリーで知られる。

海外作曲家委嘱は49年ぶり、創立40周年以来

全日本吹奏楽コンクール課題曲における海外作曲家への委嘱は、これまで1978年(第26回)の1度のみだった。

当時は全日本吹奏楽連盟の創立40周年を記念した特別企画として実施され、ロバート・ジェイガー(Robert E. Jager)が課題曲A「ジュビラーテ(Jubilate)」、ウィリアム・フランシス・マクベス(W. Francis McBeth)が課題曲B「カント(Canto)」をそれぞれ作曲した。

以後、課題曲は日本人作曲家のみで構成されてきたが、49年の空白を経て第75回の節目に再び海外作曲家による課題曲が誕生する形となる。

2027年度全日本吹奏楽コンクールの開催スケジュールおよび会場は全日本吹奏楽連盟の公式サイトで順次発表される予定。課題曲の楽譜・CD・DVDは2027年2月下旬に発売予定。