アマチュア奏者におすすめの大人向けピアノコンクール10選

「趣味としてピアノを始めたけれど、なんだか物足りない」
「大人になった今、もう一度ステージに立ってみたい」
そう思ったことのあるアマチュアピアノ奏者は少なくないはず。発表会とは違う、背筋がゾクゾクするステージの緊張感。でもその先に待つ達成感は格別です。

この記事では、大人のアマチュア奏者におすすめのピアノコンクールを厳選して紹介します。レベル感や動画審査の有無のほか、さまざまな視点から大人のアマチュアにぴったりのコンクールをピックアップしました。

これを読めば自分にぴったりのコンクールが見つかるはず!コンクールという魅力いっぱいの刺激的な世界に、あなたも一歩足を踏み入れてみませんか?

目次

大人・社会人のアマチュア向けピアノコンクール10選

大人・社会人のアマチュア向けピアノコンクール10選

大人になってからピアノを始めた方、久しぶりに再開した方がコンクールに挑戦しようとするとき、まず気になるのがレベル感や課題曲・動画審査の有無などではないでしょうか。

そこで、ここではおすすめの大人・社会人向けピアノコンクールをピックアップし、まとめて比較できるように一覧表にしました。どのコンクールも「仕事や家事と両立しながら出場したい」「久しぶりに本番の緊張を味わいたい」という方にぴったりの大会です。

コンクールや部門ごとの詳しい内容は表の下に続けて紹介しているので、気になるコンクールがあったらそちらも読んでみてくださいね。

コンクール名(部門)

年齢制限

推奨レベル

動画審査

自由曲/課題曲

ブルグミュラーコンクール(大人部門)

開催年度に19歳以上となること

初級~中級

なし

(「動画地区大会」という別大会あり)

課題曲

(ブルグミュラー)

エリーゼ音楽祭

15歳以上

(中学生を除く)

初級~上級

あり

(映像部門、予選のみ)

エリーゼ部門以外は自由曲

(分数はコースにより異なる)

PIARA国際ピアノコンクール(アマチュア部門)

18歳以上

初級~上級

あり

(近くに予選会がない、または予選会の日程が合わない場合は動画審査にて予選参加可)

自由曲

(5分以内)

全日本ピアノコンクール(アマチュア部門)

・アマチュア:U30(30歳以下)

・アマチュア:U55(31歳~55歳)

・アマチュア:O56(56歳以上)

初級~上級

あり

自由曲

(6分以内)

大阪国際音楽コンクール(アマチュア部門)

・アウトスタンディング(年齢制限なし、上級者)

・ヴィルトーゾ(高校生以上の上級者)

・エクセレンス(大学生以上)

・シニア(18歳以上、大人になって始めた者)

・シルバー(満70歳以上)

・デュオ・アンサンブル(年齢制限なし)

初級~上級

あり

(地区本選)

自由曲

(審査時間はコースにより異なる)

日本ベートーヴェンピアノコンクール

8つのコースに分かれ、コースにより異なる

初級~上級

あり

課題曲

(連弾のEコースのみ自由曲)

ラフマニノフ国際ピアノコンクール JAPAN(A部門)

なし

初級~上級

予選は録画、または録音審査

自由曲

(3~8分程度)

国際アマチュアピアノコンクール

・A部門(18歳以上)

・B部門(18歳以上)

・シニア部門(55歳以上)


中級~上級

なし

自由曲

(A部門のみ一部課題曲)

ピティナ・ピアノコンペティション(グランミューズ部門)

A1:23歳以上

A2:40歳以上

B1:23歳以上 ※

B2:40歳以上 ※

C:55歳以上

Y:高校卒業以上、22歳以下

D:デュオ(1台4手)、中学卒業以上

※アマチュアのみ参加可

中級~上級

なし

自由曲

(目安としては4分以上。地区予選・本選は7分以内。全国大会は10分以内)※1

日本クラシック音楽コンクール(ピアノ部門、一般の部)

・学生以外、または26歳以上の学生

・上限なし

中級~上級

なし

自由曲

(分数は申込後に連絡あり)※2

(音楽コンクールガイド編集部が作成。推奨レベルは課題曲の内容や暗譜が求められるか等を考慮して設定。)
※1 地区予選・本選での1人あたりの演奏時間は、会場・参加人数に応じて異なるため、詳しくは参加票を確認すること
※2 全国大会で1900年以降に生誕した作曲家、編曲家の作品(カデンツを含む)を選曲する場合のみ、J.S バッハ、ヘンデル、スカルラッティ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの内のいずれかの作品をあわせて申し込む必要あり

【初級~】大人の初心者におすすめのピアノコンクール

ここからは、大人になってピアノを始めた方におすすめのピアノコンクール(部門)を、詳しく紹介していきます。参加規定は変更となる可能性もあるので、申し込みの際は各コンクールの最新情報を必ずチェックしてくださいね。

ブルグミュラーコンクール(大人部門)

ブルグミュラーコンクール(大人部門)
出典:ブルグミュラーコンクール

ブルグミュラーコンクールは、北海道から沖縄まで全国各地で開催される人気のピアノコンクール。地区大会とファイナルの2段階制で、地区大会で優秀賞を取った人が各地区でおこなわれるファイナルに進出できます。課題曲はブルグミュラーの作品を中心とした親しみやすい内容で、テクニックよりも音楽性や表現力を重視する審査が特徴です。

また、地区大会には「初参加者限定地区」が定められ、こちらにはブルグミュラーコンクールに限らず、今までピアノコンクールに一度も出場したことのない参加者のみが参加可能。なお、大人部門では視奏(楽譜を見て弾くこと)が許されています。

こんな人におすすめ

・自分の住まいの近くで参加したい
・課題曲に沿って基礎力を確認したい
・本番でも楽譜を見て演奏したい
・初参加者限定地区で、自分と同じ初挑戦の方と一緒に舞台に立ちたい

参加推奨レベル
 初心者~中級者

コンクール名(部門)

ブルグミュラーコンクール(大人部門)

年齢制限

開催年度に19歳以上となること(年齢上限なし)

アマチュア部門

なし

動画審査

なし(ただし「動画地区大会」という別大会がある)

自由曲/課題曲

課題曲(『ブルグミュラー 25の練習曲』『ブルグミュラー 18の練習曲』の中から1曲を選択)

開催地と流れ

地区大会(全国150か所以上)→ ファイナル(全国20か所以上)

開催期間

秋~冬

(エントリー:夏、地区大会:秋、ファイナル:冬)

主催

ブルグミュラーコンクール実行委員会(運営:東音企画)

公式URL

https://www.burgmuller.org/

出典:ブルグミュラーコンクール


エリーゼ音楽祭

エリーゼ音楽祭
出店:エリーゼ音楽祭

エリーゼ音楽祭は、大人のピアノ愛好家が主役のアットホームなコンクール形式の音楽祭です。「エリーゼのために」が課題曲となっているエリーゼ部門のほか、プラチナ部門(65歳以上)、クラシックピアノ部門、ポピュラー・ジャズピアノ部門、連弾ピアノ部門、アンサンブル部門、リサイタル部門があります。特にクラシックピアノ部門とポピュラー・ジャズピアノ部門は初心者から上級者まで6つのコースにわかれているため、自分のレベルに合わせて参加できるのがうれしいですね。

映像部門は自宅のピアノ(電子ピアノ可)やストリートピアノで撮影した演奏動画で参加できるため、遠方の方や忙しい社会人にぴったり!応募した演奏動画はエリーゼ音楽祭YouTubeチャンネルで公開されます。映像部門での各コース最優秀者には、全国大会への参加権が与えられます。

2024年に映像部門に参加した石原隆司さんの演奏

後期Sポピュ後期01石原隆司_(前半)エーゲ海の真珠 (後半)Water Fountain_(前半)Paul Mauriat (後半)David Foster

こんな人におすすめ

初心者向けコースがある大会を探している
コンクールで「エリーゼのために」を演奏したい
クラシック以外の好きな曲でも挑戦したい
動画で参加できるコンクールに挑戦したい

参加推奨レベル
 初心者~上級者

コンクール名(部門)

エリーゼ音楽祭

年齢制限

15歳以上(中学生を除く)

アマチュア部門

なし

※すべての部門がアマチュア(ただし音大生、音楽講師等含む)向け

動画審査

あり(映像部門、予選のみ)

自由曲/課題曲

エリーゼ部門は課題曲「エリーゼのために」

その他の部門は自由曲

開催地と流れ

予選会(東京・関東・神戸・福岡・名古屋・横浜・広島・北海道+動画審査)→ 全国大会(東京)

開催期間

春~冬

(エントリー:冬、予選会:春~秋、全国大会:冬)

主催

株式会社LACOMS

公式URL

https://www.elise-music.com/

出典:エリーゼ音楽祭


PIARA国際ピアノコンクール(アマチュア部門)

PIARA国際ピアノコンクール(アマチュア部門)
出典:PIARA(日本ピアノグレード認定協会)

PIARA国際ピアノコンクールは、日本ピアノグレード認定協会(Piano Ranking Association)がおこなっているコンクール。アマチュア部門には音楽愛好家のみ参加が認められ、音楽大学在学生、卒業生および音楽講師等は参加できません。

予選会と地区大会は無料で観覧できるので、「PIARA国際ピアノコンクールに出てみたい!」という方は実際に足を運んでみると会場の雰囲気が掴めるでしょう。ファイナルは夏に音楽の街・浜松で週末に開催。本格的なコンサートホールの舞台に立てる貴重な経験が得られます。

こんな人におすすめ

自分のレベルに合った部門で安心して挑戦したい
幅広い年齢の参加者と切磋琢磨したい
会場の雰囲気を掴んでから参加したい
音楽の街・浜松の大ホールでの演奏を目指して頑張りたい

参加推奨レベル
 初心者~上級者

コンクール名(部門)

PIARA国際ピアノコンクール(アマチュア部門)

参加推奨レベル

初心者~上級者

年齢制限

18歳以上

アマチュア部門

あり

動画審査

あり(近くに予選会がない、または予選会の日程が合わない場合は動画審査にて予選参加可)

自由曲/課題曲

自由曲

開催地と流れ

予選会(全国35か所+動画審査)→ 地区大会(全国12か所)→ファイナル(静岡県)

開催期間

秋~翌年夏

(エントリー:秋、予選会:秋~冬、地区大会:冬~春、ファイナル:夏)

主催

日本ピアノグレード認定協会(PIARA)

公式URL

【PIARA横浜支部】

https://www.piara-yokohama.com/competition/

【PIARA(日本ピアノグレード認定協会)】

https://toyo-piano.co.jp/piara_new/

出典:PIARA横浜支部PIARA(日本ピアノグレード認定協会)


全日本ピアノコンクール(アマチュア部門)

全日本ピアノコンクール(アマチュア部門)
出典:全日本ピアノコンクール

全日本ピアノコンクールは、 大人向けの部門が「アマチュア部門」と「一般プロ部門」にわかれています。アマチュア部門では年齢区分が細かく、近い年代の仲間と競い合えるのが魅力です。

地区大会・ブロック大会はホール演奏だけでなく、動画提出での参加も可能(全国大会は会場審査)。「ステージでの本番は緊張する……」という方でも、これなら挑戦しやすいですね!さらに自由曲制なので、お気に入りの曲でのびのび演奏できるのもうれしいポイントです。

アマチュア部門は視奏可。また、地区大会、ブロック大会、全国大会で同じ曲を弾いても構いません。

2024年にアマチュア:U55部門で1位をとった足立卓也さんの演奏

全日本ピアノコンクール2024 全国大会 / アマチュア:U55部門 1位 / 足立 卓也

こんな人におすすめ

近い年代のライバルと切磋琢磨したい
まずは動画審査で気軽に挑戦したい
好きな曲でのびのび演奏したい
本番でも楽譜を見て演奏したい

参加推奨レベル
 初心者~上級者

コンクール名(部門)

全日本ピアノコンクール(アマチュア部門)

年齢制限

U30: 30歳以下、U55: 31~55歳、O56: 56歳以上

アマチュア部門

あり

動画審査

あり(地区予選・ブロック大会は動画提出可)

自由曲/課題曲

自由曲

開催地と流れ

地区大会(全国40か所以上+動画審査)→ ブロック大会(全国10か所+動画)→全国大会(神奈川県)

開催期間

夏~冬

(エントリー:春、地区大会:夏、ブロック大会:秋、全国大会:冬)

主催

夏~冬

(エントリー:春、地区大会:夏、ブロック大会:秋、全国大会:冬)

公式URL

https://classicmusic.tokyo/piano/

出典:全日本ピアノコンクール


大阪国際音楽コンクール(アマチュア部門)

大阪国際音楽コンクール(アマチュア部門)
出典:大阪国際音楽コンクール

大阪国際音楽コンクールは、世界各国から参加者が集う大規模コンクール。ピアノ以外の楽器の演奏者も含めたさまざまな挑戦者が集います。

大阪国際音楽コンクールのアマチュア部門は、年齢やレベルに合わせてコースが細かくわかれているのが特徴。特にシニアコースは、大人になってから始めた人だけが参加できる珍しいコースです。

テクニックだけでなく音楽性や表現力を重視した審査なので、心から音楽を楽しむ気持ちが評価されるのもうれしいポイントです。

こんな人におすすめ

(シニア)大人になってからピアノを始めた人同士で切磋琢磨したい
(シルバー)アマチュア部門の中でシルバー限定のコースを探している
(アウトスタンディング、ヴィルトーゾ)アマチュアだけど上級者のコースで挑戦したい
(デュオ・アンサンブル)友達を誘って連弾で参加してみたい

参加推奨レベル
 初心者~上級者

コンクール名(部門)

大阪国際音楽コンクール(アマチュア部門)

年齢制限

・アウトスタンディング(年齢制限なし、上級者)

・ヴィルトーゾ(高校生以上の上級者)

・エクセレンス(大学生以上)

・スーペリア(高校生)

・シニア(18歳以上、大人になって始めた者)

・シルバー(満70歳以上)

・デュオ・アンサンブル(年齢制限なし)

アマチュア部門

あり

動画審査

あり(地区本選)

自由曲/課題曲

自由曲

開催地と流れ

地区本選(全国11地区+動画審査)→ ファイナル(大阪)

※アマチュア部門は予選なしで地区本選からの参加となる

開催期間

夏~秋

(エントリー:春、地区本選:夏、ファイナル:秋)

主催

大阪国際音楽振興会

公式URL

https://www.osakaimc.com/

出典:大阪国際音楽コンクール


【中・上級~】再開組におすすめのピアノコンクール

ここからは、昔ピアノを習っていて大人になって再開した方や、子供のころから趣味でピアノを続けている方におすすめのピアノコンクール(部門)を、詳しく紹介していきます。参加規定は変更となる可能性もあるので、申し込みの際は各コンクールの最新情報を必ずチェックしてください。

日本ベートーヴェンピアノコンクール

日本ベートーヴェンピアノコンクール
出典:日本ベートーヴェンピアノコンクール

一般社団法人日本ピアノ演奏協会が主催する日本ベートーヴェンピアノコンクールは、古典派、ロマン派の作品に腰を据えて取り組みたい方にぴったりのコンクール。参加部門は一般とプロフェッショナルでわかれており、一般の部門はベートーヴェンや同世代の作曲家の作品をメインに課題曲が設定されています。

予選と全国大会のどちらも動画審査にも対応しているため、遠方の方や忙しい方でも挑戦しやすいでしょう。60歳以上を対象としたシニアコースもあります。

こんな人におすすめ

ベートーヴェンの作品に深く向き合いたい
バロック、古典派、ロマン派の理解を深めたい
ディアベリ、ツェルニーの連弾作品に挑戦したい
動画審査を活用して無理なく参加したい

参加推奨レベル
 初心者~上級者

コンクール名(部門)

日本ベートーヴェンピアノコンクール

年齢制限

8つのコースに分かれ、コースにより異なる

アマチュア部門

あり

動画審査

あり

自由曲/課題曲

Eコース以外は課題曲(課題曲はコースにより異なる)

開催地と流れ

地区大会(北海道、栃木、東京、横浜、静岡、名古屋、大阪、広島、福岡、佐賀、長崎+動画審査)→ 全国大会(横浜+動画審査)

開催期間

春~夏

(エントリー:春、地区大会:春~夏、全国大会:夏)

主催

一般社団法人 日本ピアノ演奏協会

公式URL

https://beethovenpiano.jp/index.html

出典:日本ベートーヴェンピアノコンクール


ラフマニノフ国際ピアノコンクール JAPAN(A部門)

ラフマニノフ国際ピアノコンクール JAPAN(A部門)
出典:ラフマニノフ国際ピアノコンクール JAPAN

ラフマニノフ国際ピアノコンクールJAPANのA部門は、アマチュア・ピアノ愛好家が対象。年齢制限がないため、大人のアマチュア奏者に幅広く門戸が開かれています。予選は録画、または録音審査でおこなわれるため、自宅等でリラックスして挑戦できるのがうれしいですね。

自由曲(ラフマニノフ以外の曲も可)なので、自分の好きな曲で参加できます。予選と本選で同じ曲を演奏してもよく、また、異なる曲の演奏も可能。ただし、暗譜が必要です。ラフマニノフの作品を魅力的に演奏した参加者には、ラフマニノフ大賞やラフマニノフ賞が贈られます。

こんな人におすすめ

アマチュア限定の部門で実力を試したい
好きな曲でのびのび演奏したい
ラフマニノフの作品を演奏したい
まずは録画、または録音で参加したい

参加推奨レベル
 初心者~上級者

コンクール名(部門)

ラフマニノフ国際ピアノコンクールJAPAN(A部門)

年齢制限

なし

アマチュア部門

あり

動画審査

あり(予選は録画、または録音審査)

自由曲/課題曲

自由曲

開催地と流れ

予選(録画または録音審査)→ 本選(千葉県)

開催期間

夏~冬

(エントリー:春、予選音源締切:秋、本選:冬)

主催

日本ラフマニノフ協会

公式URL

https://www.rachmaninov.jp/

出典:ラフマニノフ国際ピアノコンクール JAPAN


国際アマチュアピアノコンクール

国際アマチュアピアノコンクール
出典:国際アマチュアピアノコンクール

国際アマチュアピアノコンクールは、大人のピアノ愛好家が主役の本格的なコンクール。音楽の専門教育機関で現在学んでいる方や、過去に学んだ方(一般大学の教育学部・音楽科専攻等含む)は参加できません。

B部門とシニア部門は視奏が許されていますが、A部門は暗譜が必要。また、B部門は予選から本選まで同じ曲で参加できますが、A部門は予選と本選で異なる曲を演奏しなければなりません。少し上のレベルで挑戦してみたい方はA部門、暗譜に自信がない方や一曲のみでチャレンジしたい方は、B部門やシニア部門での参加を検討してみましょう。

2023年にA部門で1位をとった高溝正さんの演奏


高溝 正 リスト : メフィスト・ワルツ 第1 番 「村の居酒屋での踊り」(国際アマチュアピアノコンクール2023本選 / A部門 第1位 / 2023年9月16日 / 紀尾井ホール)

こんな人におすすめ

アマチュアだけど本格的なコンクールで上を目指したい
プロではないピアノ愛好家同士で競い合いたい
自由曲で自分の好きな曲を披露したい
東京近郊に住んでいる

参加推奨レベル
 中級者~上級者

コンクール名(部門)

国際アマチュアピアノコンクール

年齢制限

A部門:18歳以上

B部門:18歳以上

シニア部門:55歳以上

アマチュア部門

なし

※すべての部門がアマチュア向け

動画審査

なし

自由曲/課題曲

A部門:第1次予選は自由曲、第2次予選は自由曲+課題曲、本選は自由曲

B部門:自由曲

シニア部門:自由曲

開催地と流れ

第1次予選(東京)→第2次予選(東京)→ 本選(東京)

※シニア部門は予選なし(本選のみ)

開催期間

夏~秋

(エントリー:春、第1次予選:夏、第2次予選:夏、本選:秋)

主催

日墺文化協会

公式URL

https://amateur-piano-competition.blogspot.com/

出典:国際アマチュアピアノコンクール


ピティナ・ピアノコンペティション(グランミューズ部門)

ピティナ・ピアノコンペティション(グランミューズ部門)
出典:一般社団法人全日本ピアノ指導者協会

ピティナ・ピアノコンペティションは、一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)がおこなっているピアノコンクールです。グランミューズ部門は中学3年生以上のピアノ愛好者が対象。グランミューズ部門のなかでも年齢やピアノ歴をもとに細かくカテゴリーが設定されているため、自分に合ったカテゴリーで挑戦できます。

大人のアマチュア奏者におすすめなのはB1、B2カテゴリー。こちらの二つのカテゴリーは、アマチュアのみ参加が許されています。B1、B2カテゴリーでは視奏もできますが、暗譜の有無も審査上で考慮されます。できれば暗譜で参加したいですね。審査員の講評も丁寧で、学び直しにも最適のコンクールです。

2025年のグランミューズB1カテゴリーで1位をとった石川光さんの演奏


2025ピティナコンペ全国大会 グランミューズB1カテゴリー 第1位 石川光

こんな人におすすめ

権威あるピアノコンクールで実力を試したい
自分の年齢・経歴に合った部門を選びたい
審査員から丁寧な講評をもらって上達したい
全国大会の大舞台を目標にステップアップしたい

参加推奨レベル
 中級者~上級者

コンクール名(部門)

ピティナ・ピアノコンペティション(グランミューズ部門)

年齢制限

A1:23歳以上

A2:40歳以上

B1:23歳以上 ※

B2:40歳以上 ※

C:55歳以上

Y:高校卒業以上、22歳以下

J:中学3 年以上、高校3年以下

D:デュオ(1台4手)、中学卒業以上


※B1、B2 カテゴリーには年齢制限に加えて学歴、職業による以下の参加制限あり

・音楽大学、専門学校等のピアノ専攻で学習していないこと(中途退学等も含む)

・ピアノを職業としていないこと(指導・演奏により報酬を得ていないこと)

アマチュア部門

なし

※B1、B2 カテゴリーはアマチュアのみ参加可

動画審査

なし

自由曲/課題曲

自由曲

開催地と流れ

地区予選(全国30か所以上)→ 地区本選(全国9か所)→ 全国大会(東京)

開催期間

春~夏

(エントリー:冬、地区予選:春、地区本選:夏、全国大会:夏)

主催

一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)

出典:一般社団法人全日本ピアノ指導者協会


日本クラシック音楽コンクール(ピアノ部門、一般の部)

日本クラシック音楽コンクール(ピアノ部門、一般の部)
出典:日本クラシック音楽コンクール

一般社団法人日本クラシック音楽協会がおこなう日本クラシック音楽コンクール(通称「クラコン」)は、全国規模の伝統あるコンクールです。一般部門は大人のためのカテゴリーで、年齢の上限は定められていません。ただし、音大卒の方とも同じ土俵で戦うことになるため、アマチュアの中でも中級者以上の方におすすめです。

予選、本選、全国大会で同じ曲を演奏しても、異なる曲を演奏しても構いません。また、予選と本選は視奏が許されていますが、全国大会のみ暗譜が求められます。

審査は点数による基準評価が特徴。演奏が基準点に達すれば順位に関係なく合格できる方式が採られています。

こんな人におすすめ

大人・社会人向けの部門で参加したい
音大卒の人とも同じ土俵で腕試ししたい
歴史ある本格的なコンクールに挑戦してみたい
基準点に達すれば順位に関係なく合格できるシステムで実力を試したい

参加推奨レベル
 中級者~上級者

コンクール名(部門)

日本クラシック音楽コンクール(ピアノ部門、一般の部)

年齢制限

・学生以外、または26歳以上の学生

・上限なし

アマチュア部門

なし

動画審査

なし

自由曲/課題曲

自由曲

※全国大会で1900年以降に生誕した作曲家、編曲家の作品(カデンツを含む)を選曲する場合のみ、J.S バッハ、ヘンデル、スカルラッティ、ハイドン、モーツァルト、ベートーヴェンの内のいずれかの作品をあわせて申し込む必要あり(指定の作曲家の作品を1曲目に演奏)

開催地と流れ

予選(全国80か所以上)→ 本選(全国70か所)→全国大会(東京)

開催期間

夏~冬

(エントリー:春、予選:夏、本選:秋、全国大会:冬)

主催

一般社団法人 日本クラシック音楽協会

公式URL

https://www.kurakon.net/

出典:日本クラシック音楽コンクール


目指せ入賞!アマチュア向けピアノコンクールでの選曲のコツ

目指せ入賞!アマチュア向けピアノコンクールでの選曲のコツ

ピアノコンクールでは、自分に合ったレベルの曲を選ぶことが大切です。テクニックの限界に挑みすぎるより、今の自分が無理なく弾ける曲を選びましょう。レベルごとに以下の点も心がけてくださいね。

大人の初心者は基礎力と完成度でアピールする

ピアノを始めたばかりの大人の方は、まず基礎的なテクニックが身につく曲で演奏の完成度を高めることを目指しましょう。背伸びをせずに自分に合った曲を選び、ミスタッチの少ない丁寧な演奏に仕上げることが大切です。

曲の背景や作曲された時代について調べ、自分なりの感情や解釈を重ねてみてください。そうすることでフレーズごとの歌いまわしや音色に気持ちが宿り、シンプルな曲でも表現力豊かに演奏できるでしょう。

中・上級者は「聴き映え」にも目を向ける

多くのコンクールでは、中級・上級者になると演奏技術だけでなく、曲の構成力や表現の深さも評価対象となります。たとえば、静かな部分と情熱的な部分がはっきり対比するような曲は、一曲の中に音楽的なドラマがあり聴き手に印象を与えやすいでしょう。自分の持ち味である音色や響きを活かせるレパートリーを選べば、あなたならではの魅力を引き出せます。

難易度が高すぎる曲に無理に挑戦する必要はありません。それより、ギリギリでコントロールできる難易度の曲を選び、自分の表現を確実に届けることが大切です。

アマチュア奏者がピアノコンクールで意識するべきポイント

アマチュア奏者がピアノコンクールで意識するべきポイント

限られた練習時間で効率よく練習しよう

練習時間が限られていてもあきらめなくて大丈夫。短時間でも集中して毎日続ければ、一度に長時間練習するより効果的とされています。毎日決まった時間にピアノに触れる習慣をつければ、忙しくても無理なく練習を継続できますよ。

音を出せない時間帯はイメージトレーニングしてみましょう。頭の中で鍵盤を思い描きながらフレーズの流れを確認し、音色やテンポを意識して「心の中で弾く」ことで、実際の演奏にもつながります。

また、録音は自分の演奏を客観的に見直すのに役立ちます。後から聴いてみることで改善点やよいところに気づけますよ。

コンクール前には単発のオンラインレッスンで専門家にアドバイスをもらうのもおすすめです。普段の練習を効率重視で進めたい方は、練習をサポートするアプリの使用も検討してみましょう。

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ステージマナーを身につけて自信につなげよう

コンクールによっては、ステージ上での振る舞いや所作も評価の対象になる場合があります。落ち着いた入退場、丁寧なお辞儀を心がけ、大人ならではの美しい所作で舞台に臨めばそれだけで好印象を与えやすくなります。演奏中も姿勢や表情に気を配り、最後の音の余韻まで大切にすると、音楽を心から味わっている気持ちが伝わるでしょう。

また、自分自身が音楽を楽しんで演奏している姿勢を見せれば、それが聴衆や審査員の心にも響きます。服装は動きやすさと上品さを兼ね備えたものを選び、堂々と演奏しましょう。

基本のステージマナーについて詳しく知りたい方は、こちらも読んでみてください。

大人・社会人向けピアノコンクールに関するよくある質問

大人・社会人向けピアノコンクールに関するよくある質問

動画審査用の撮影を上手くいかせるコツは?

プロ用のビデオカメラがなくても心配いりません。多くのコンクールがスマートフォンでの撮影でも応募可能です。ただしカメラは横向きにして、必ず三脚などで固定しましょう。演奏者の頭から足元まで写り、鍵盤を弾く手元もしっかり映る位置にカメラを置くのが基本。本番前に一度リハーサルとして通しで動画撮影をしておけば、機材トラブルなどを事前に発見できて安心です。

コンクールにはどんな服装で参加する?

服装は高価な衣装でなくても構いません。清潔感があり上品に見える服装を選びましょう。コンクールにもよりますが、基本的に男性はジャケットに襟付きシャツ、女性はワンピースやシンプルなドレスなどで十分です。派手すぎるデザインや露出の多い服、演奏しにくい服装は避けましょう。

腕まわりが動きやすい柔らかい素材だと演奏も安心です。靴もペダルを踏みやすく、歩きやすいものを選ぶのがおすすめ。身につける物に迷ったら、「清潔感」と「動きやすさ」を意識すれば失敗しませんよ。

コンクールでは暗譜しないとダメ?

一般的にピアノコンクール本番では暗譜で演奏するのが基本ですが、アマチュア部門では楽譜を見ながら弾いてもよい場合もよくあります。まずは募集要項を確認し、暗譜が必須かどうかチェックしましょう。

まとめ

初心者の方も経験者の方も無理なく参加できるコンクールを幅広くご紹介しました。参加してみたいコンクールは見つかりましたか?

子供の頃にピアノを習っていた方、社会人になってピアノを始めた方。そんなあなたが、今「コンクールに出てみたい」と感じているのなら、その気持ちはとても素敵なことです。昔よりも忙しい毎日。時間も体力も限られている中で、ピアノを続けること自体がすでに立派な挑戦と言えるでしょう。

「趣味」だからこそ、楽しく。「再挑戦」だからこそ、誇らしく。

ピアノがある毎日は、あなたの人生をもっと豊かに彩ってくれます。気になるコンクールがあれば、ぜひ一歩踏み出してみてくださいね。あなたの音楽が、誰かの心にきっと届くはずです。

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