第73回全日本吹奏楽コンクール(全日本吹奏楽連盟、朝日新聞社主催)は10月19日、宇都宮市文化会館で高校の部が開催され、全国11支部の代表30校による熱演が繰り広げられ、前半の部15校、後半の部15校の審査の結果、計10校が金賞に輝いた。
前半は伊奈学園、浜松聖星、精華女子、幕張総合、松陽
前半の部では、埼玉県立伊奈学園総合高等学校がバッハの「無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第2番 ニ短調」より「シャコンヌ」を森田一浩編曲版で演奏し、金賞を獲得。14大会連続26回目の出場となる同校は、西関東支部の安定した実力を示した。
静岡県の浜松聖星高等学校は、レスピーギ作曲の交響詩「ローマの祭」より「I.チルチェンセス」「IV.主顕祭」を披露し、10大会連続12回目の出場で金賞受賞。
九州代表の精華女子高等学校(福岡)は、アルフレッド・リード作曲「エルサレム讃歌 −アルメニアの復活祭の讃歌による変奏曲−」で圧倒的な演奏を見せ、金賞を手にした。
千葉県立幕張総合高等学校は、リードの吹奏楽のための交響的素描「オセロ」から3つの楽章を選曲し金賞受賞。鹿児島県立松陽高等学校も「ローマの祭」で金賞に輝いた。
一方、前半の部では埼玉栄高等学校、東海大学付属高輪台高等学校、大阪桐蔭高等学校など強豪校が銀賞にとどまり、全国大会の厳しさを物語る結果となった。
後半は玉名女子、活水、岡山学芸館、八王子、東海大仰星
後半の部では、玉名女子高等学校(熊本)がトップバッターで金賞を獲得。活水中学校・高等学校(長崎)、岡山学芸館高等学校(岡山)も金賞に輝いた。
東京都代表の八王子学園八王子高等学校は、14番目の演奏で金賞を獲得。大阪府代表の東海大学付属大阪仰星高等学校が最終演奏者として金賞で後半の部を締めくくった。
後半の部では、富山県立富山商業高等学校、叡明高等学校(埼玉)、明誠学院高等学校(岡山)、近畿大学附属高等学校(大阪)、聖カタリナ学園光ヶ丘女子高等学校(愛知)、柏市立柏高等学校(千葉)の6校が銀賞を受賞した。
注目の習志野、東海大札幌は銅賞にとどまる
今大会では、全国大会常連校の明暗が分かれる結果となった。千葉県の名門・習志野市立習志野高等学校は銅賞にとどまり、吹奏楽ファンに衝撃を与えた。北海道代表の東海大学付属札幌高等学校も銅賞という結果に終わった。
前半の部では、出雲北陵高等学校(島根)、高松第一高等学校(香川)、ノースアジア大学明桜高等学校(秋田)、福島県立磐城高等学校が銅賞を受賞。後半の部では、愛媛県立伊予高等学校、秋田県立秋田南高等学校が銅賞となった。
大阪桐蔭、埼玉栄など実力校が銀賞、30校が熱演
銀賞には前半の部で6校、後半の部で6校の計12校が選ばれた。前半の部では埼玉栄高等学校、東海大学付属高輪台高等学校、大阪桐蔭高等学校、旭川明成高等学校(北海道)、愛知工業大学名電高等学校、金沢学院大学附属高等学校(石川)が銀賞を受賞した。
全国11支部から選ばれた30校が、12分間という限られた時間の中で日頃の練習成果を披露。課題曲と自由曲を組み合わせた多彩なプログラムで、聴衆を魅了した。審査は9名の審査員によって行われ、演奏技術、音楽表現、全体の完成度などが総合的に評価された。
全日本吹奏楽コンクールは引き続き、10月25日に大学の部、10月26日に職場・一般の部がりゅーとぴあ新潟市民芸術文化会館で開催される。