6月7日、第9回仙台国際音楽コンクール ヴァイオリン部門(審査委員長:堀米ゆず子)の審査結果が発表された。
第7回(2019年)に続いて再び第1位該当なしという結果となり、韓国のムン・ボハ(2006年生まれ)が第2位で最高位に輝いた。日本からは的場桃(2007年生まれ)が審査委員奨励賞と聴衆賞をダブル受賞し、日本人唯一の受賞者となった。
再び第1位該当なし、韓国のムン・ボハが第2位で最高位に
今回のコンクールには41名のヴァイオリニストが出場し、激戦を繰り広げた。しかし審査の結果、第1位に該当する演奏者はいないと判断され、第7回(2019年)に続いて再び第1位該当なしという厳しい結果となった。
最高位となる第2位には韓国のムン・ボハが選ばれた。ファイナルではモーツァルトのヴァイオリン協奏曲変ロ長調K207とブルッフのスコットランド幻想曲op.46を演奏し、審査員から高い評価を得た。第3位は中国のジャン・アオジュ(2008年生まれ)、第4位は同じく中国のリ・ジンジュ(2007年生まれ)が受賞している。
日本人唯一の受賞者・的場桃が審査委員奨励賞と聴衆賞をダブル受賞
セミファイナルまで進出した的場桃は、審査委員奨励賞と聴衆賞(Day 3)をダブル受賞する快挙を達成した。審査委員奨励賞は「セミファイナルに出場し、かつセミファイナルを通過しなかった者のうち注目すべき才能を示した出場者」に授与される特別賞で、17歳の的場の将来性が高く評価された結果となった。
セミファイナルでは、メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲ホ短調op.64をはじめとする課題曲を演奏。聴衆からも大きな支持を集め、セミファイナル3日目の聴衆賞も併せて受賞した。
全日本学生音楽コンクール覇者の17歳・的場桃の国際舞台での健闘
的場桃は現在、桐朋女子高等学校音楽科3年に特待生として在学中。過去には第76回全日本学生音楽コンクール全国大会中学校の部で第1位を獲得するなど、国内では既に高い実績を残している若手ヴァイオリニストだ。
今回の仙台国際音楽コンクールでは、予選でイザイの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番とモーツァルトの楽曲を演奏し、セミファイナルまで進出。国際舞台でその才能を証明する結果となった。
YouTube公式チャンネルで全演奏を無料配信中、録画視聴も可能
同コンクールでは、予選から表彰式、ガラコンサートまでの全演奏を[公式YouTubeチャンネル](https://www.youtube.com/user/simcwebmaster)でライブ配信を実施。演奏日の翌日以降は6月30日まで期間限定でオンデマンド配信も行われており、自宅にいながら世界レベルの演奏を無料で視聴することができる。
中国勢が3位、4位、6位に3名入賞、若手世界のヴァイオリン事情
今回の入賞結果を見ると、第3位、第4位、第6位(同率)に中国出身者が3名入賞するなど、中国勢の躍進が目立った。第5位には韓国のパク・ソヒョン、第6位(同率)には韓国のキム・ハラムも入賞し、東アジア勢の活躍が印象的な結果となった。