2025年3月18日(火)北広島市芸術文化ホール・花ホールで行われた「第37回ハイメスコンクール」【声楽部門】において最優秀賞を受賞された鈴木さん。
今回は同コンクールや音楽コンクールに挑戦される方へ向け、お話を伺いました。

取材・文|編集部
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プロフィール

鈴木美郷(すずきみさと)Instagram
北海道札幌市出身 / 東京都在住
東京藝術大学音楽学部声楽科卒業、同大学院首席修了、英国王立音楽大学修士課程修了
2歳から音楽教室に通い、4歳からピアノを始める。小学生の時に参加したオペレッタのワークショップで、舞台で歌う楽しさに目覚める。高校の音楽科にピアノ専攻で入学するも高校2年で声楽専攻に転科して本格的に声楽に取り組む。東京藝術大学で7年間学んだ後、奨学生として英国に2年間留学し、昨年帰国。
趣味・特技
旅行、美術館巡り、カフェ巡り、ピラティス、スキー
受賞歴・演奏活動歴
第66回全日本学生音楽コンクール高校の部全国大会第1位。
第85回選抜高等学校野球大会開会式にて国歌独唱。
第18回日本演奏家コンクール大学の部全国大会第1位。併せて準グランプリ賞、毎日新聞社賞受賞。
第29回奏楽堂日本歌曲コンクール歌唱部門 入選、畑中良輔賞受賞。
第87回読売新人演奏会出演。第57回日伊声楽コンコルソ第3位。
第27回Concorso lirico G. Zinetti ファイナリスト。
第37回ハイメスコンクール最優秀賞。
天皇陛下が英国訪問の際に御前演奏。
オペラでは「子供と魔法」プリンセス役、「フィガロの結婚」伯爵夫人役、「ヘンゼルとグレーテル」グレーテル役に出演。
ハイメスコンクールを終えて

ーーコンクール、お疲れさまでした。コンクールを終えて今現在のお気持ちをお聞かせください。
鈴木
久しぶりに故郷の札幌で歌うことができ、さらに素晴らしい賞までいただき、大きな励みとなり、とても嬉しかったです。
声楽を始めてから大分経ちますが、こうして好きな歌を続けてこられたのも、支えてくれる先生や家族、応援してくださる皆様のおかげだと改めて実感し、感謝の気持ちでいっぱいです。
これからもさらなる成長を目指して、精進していきたいと思います。
ーー練習をするにあたって、どのようなことに気を付けましたか?
鈴木
フレーズの最初と最後の音は、特に大切に歌うよう常に心がけています。また、中音域から高音まで、自分の声の良いポジションと響きを均等に歌えるように意識しています。
さらに、声楽は楽器と異なり言葉がありますので、歌詞の意味とそこに書かれている音楽をどのように歌えば言葉が美しく生きるのかを考えながら歌っています。
ーーコンクール準備期間にこころがけたことは何かありますか?
鈴木
声楽は自分の体が楽器なので、本番当日に最高のコンディションで臨めるよう、とにかく体調管理と喉のケアには気を配っていました。特別なことはしていませんが、部屋に加湿器を設置したり、外出時にはマスクを着用したり、うがい手洗いなどを普段から心がけています。
練習する際は、歌いすぎると喉が疲れてしまうので、楽譜を見ながらイメージトレーニングを行うことも大切にしています。
ーーなぜこのコンクールに挑戦しようと思われましたか?

鈴木
北海道では歴史あるコンクールであり、入賞すると留学の支援があるため、以前から一度は挑戦してみたいと思っていました。
昨年ロンドン留学を終えて帰国しましたが、まだ海外で挑戦したいことがありました。それと同時に帰国後の活動についても考えていたところでしたので、このコンクールが今後の活動に向けて何か良いきっかけになればと思い、参加しました。
ーー本番を迎えた当日のお気持ちをお聞かせください。
鈴木
本番当日の朝は、普段どおりに起きました。緊張するのは、いつもステージ裏に立ったときですが、あとは楽しんで演奏に集中しようと自分を奮い立たせています。
会場の雰囲気は明るく、よく響く素敵なホールで、気持ちよく歌うことができました。
ーーハイメスコンクールに挑戦する方へのメッセージをお願いします。
鈴木
会場は地元ならではの温かい雰囲気に包まれており、審査員の先生方、コンクール関係者やスタッフの方々もとても優しく、安心して臨むことができます。
コンクールは誰でも緊張するものですが、本番でしか体験できないことや新たな発見もたくさんあります。今の自分を試す良い機会だと思って、ぜひ挑戦してほしいと思います。
ーーー今後の目標などをお聞かせください。
鈴木
まずはレパートリーをさらに増やし、様々なオペラの役に挑戦してみたいです。そして、私の演じる役を通して、オペラや歌の魅力を多くの方に伝えていけたら嬉しく思います。
まだまだクラシックコンサートは敷居が高いというイメージがあるため、小さなお子さんから若い世代の方々まで、気軽に音楽に触れられる機会を増やしていけたらいいなと思っています。
そして、私の歌を聴いてくださる方々への感謝の気持ちを忘れずに、一つ一つの本番を大切にし、心を込めて歌っていきたいです。
故郷の札幌で開催されたコンクールで最優秀賞を受賞された鈴木さん。歌に対する深い愛情と、体調管理や喉のケアを徹底し、イメージトレーニングを取り入れるなど日々の丁寧な練習が印象的でした。歌詞の意味を深く理解し、音楽と共に表現しようとする真摯な姿勢も心に響きます。今後はレパートリーをさらに広げ、オペラを通して音楽の魅力を多くの人々に伝えたいという想いを心より応援しております。今後のますますのご活躍をお祈り申し上げます。
●2025年5月6日(火)岡谷市文化会館カノラホール
0歳からのオペラ「魔法の笛」
パミーナ役
●2025年6月14日(土)15日(日)引き船文化センター
北里柴三郎物語 オペラ「ドンネルの夢」
北里柴三郎の妻、乕役
●2025年7月26日(土)角筈区民ホール
TIVAA主催オペラ「ジャニススキッキ」
ラウレッタ役
●2026年1月18日(日)札幌パークホテル
第36回ハイメスニューイヤーコンサート
東京、長野、北海道と3箇所で出演予定があります。お近くの方はせひお越しいただけましたら嬉しく思います。
鈴木美郷
第37回ハイメスコンクール2025の概要については下記をご覧ください。
第37回ハイメスコンクール2025の結果については下記をご覧ください。