福岡、佐賀、長崎、熊本、大分、宮崎、鹿児島、沖縄で構成される吹奏楽部の九州支部から全国へ羽ばたいた中学生たちの、心を揺さぶる演奏をご存じですか?
本記事では、全日本吹奏楽コンクールにおいて2020~2024年の間に全国大会へ出場した中学校や、九州大会で優れた成績を残した中学校の中から、音楽ファンの記憶に残る10校をピックアップしました。
部の特徴や代表演奏もあわせて紹介しますので、それぞれの名演と、魅力あふれるチームの姿を一緒に見ていきましょう!
鹿児島市立武岡中学校(鹿児島県)
武岡中学校は近年の九州支部を代表する強豪校で、2018年から毎年九州代表に選ばれており、6大会連続で全国大会に出場。そのうち2018年、2019年、2021年に金賞を受賞しています。
武岡中の生徒たちは日頃から基礎を徹底した練習に励んでおり、部員同士の仲も良くチームワーク抜群です。地域の期待も大きく、地元メディアでは全国大会前に特集が組まれるほど注目されています。
温かな地域の応援を受け、武岡中学校吹奏楽部はこれからも九州を代表する存在として素晴らしい音楽を届けてくれるでしょう。
福岡県立門司学園中学校(福岡県)
門司学園中学校は福岡県北九州市にある中高一貫校。最近5年の全国大会出場は2021年から2024年まで毎年九州代表の座を守り抜いており、2024年の第72回全国大会では悲願の金賞を獲得しました。
門司学園中の強みは、中高一貫ならではの継続的な指導と、高校生との合同練習によるレベルの高いアンサンブルにあります。中学生ながら豊かな音量と表現力を備え、高度な曲にも果敢に挑戦する姿勢が光ります。
創部は2002年と比較的新しいですが、地元ファンなどから「門司学園サウンド」と称される柔らかくまとまりのある音色で、全国にその名を轟かせています。今後もさらなる飛躍が期待される注目の吹奏楽部です。
福岡市立城南中学校(福岡県)
福岡市立城南中学校は福岡市内の伝統校で、2019年に全国大会金賞に輝いた名門校です。その後も最近5年の全国大会出場は2021年から2024年まで、安定して上位の成績を収めています。
城南中のサウンドは伸びやかで明るい木管と厚みのある金管セクションのバランスが秀逸で、「音楽で感動を届けたい」という部員たちの思いが演奏に表れています。
学校や保護者の支援も手厚く、地元メディアでも「城南中吹奏楽部、感動を届けたい」という特集が組まれるなど注目度も高いです。長年培われた伝統と新しい感性が融合した城南中学校吹奏楽部は、これからも福岡を代表する名門として人々を魅了し続けるでしょう。
福岡市立姪浜中学校(福岡県)
福岡市立姪浜中学校は、“吹奏楽王国”福岡において長年トップクラスの実績を誇る強豪中学校です。2015年~2018年に連続で全国大会に出場して以来、一時全国大会出場が途切れていましたが、2023年に福岡県大会・九州大会を勝ち抜いて見事全国の舞台に復帰しました。
姪浜中の特徴は、木管セクションの柔らかな音色と、金管セクションの力強さとの調和で、その美しいサウンドは高く評価されています。
福岡市民からの支持も厚く、定期演奏会や地域のイベント演奏でも毎回大きな反響を呼んでいます。長い歴史で培った底力を武器に、姪浜中学校吹奏楽部はこれからも全国トップレベルの演奏を目指して邁進することでしょう。
天草市立本渡中学校(熊本県)
天草市立本渡中学校は近年急速に頭角を現している中学校です。最近5年の全国大会出場は初出場となる2022年で、銀賞を受賞、2024年にも再び全国大会へ出場し2度目の銀賞に輝きました。
本渡中は天草地域にあり、都市部と比較して外部講師の指導機会が限られる環境ながら、顧問の熱心な指導と部員たちの自主的な努力によって着実に力をつけてきました。
地域ぐるみの支援も本渡中の大きな特徴です。地元では「天草の誇り」として吹奏楽部を後押しする声が多く、台湾の中学校との国際交流演奏会が開かれるなど、音楽を通じた地域交流にも積極的に取り組んでいます。
初出場から間もないながら全国で結果を残した本渡中学校吹奏楽部は、そのフレッシュな勢いで今後さらに飛躍していくことでしょう。
奄美市立朝日中学校(鹿児島県)
奄美市立朝日中学校は、離島から全国大会へ駒を進めた実力校として知られます。最近5年の全国大会出場は初出場となる2021年の第69回全日本吹奏楽コンクールで、銀賞を受賞しました。
朝日中の特徴は、南国・奄美の温かな風土を感じさせるようなのびのびとしたサウンドで、小編成ながら各パートの響きがよくブレンドされた演奏が高く評価されています。
また、郷土愛あふれる選曲やパフォーマンスも魅力で、地元奄美の民謡のフレーズを取り入れた楽曲に挑戦したり、地域の音楽祭で島唄とのコラボレーションを行ったりと、独自色を打ち出しています。
奄美市全体で吹奏楽部を応援する雰囲気があり、離島という地理的ハンデを乗り越えて全国で活躍する姿は地元の人々に大きな勇気を与えました。今後再び全国の舞台で活躍する日を、全国の吹奏楽ファンが心待ちにしています。
北九州市立高須中学校(福岡県)
北九州市立高須中学校は、最近5年の全国大会出場はありませんが、九州大会では常に上位入賞を果たす実力校で、2024年の九州吹奏楽コンクールでも見事金賞を獲得しています。
高須中の演奏の持ち味は、爽やかで艶のあるサウンドと機動力のあるアンサンブルです。特にフルートやクラリネットの木管セクションが繊細かつよく歌い、トランペットやサックスのソロも伸びやかで魅力的だと言われます。
またマーチングでも全国大会金賞を受賞するなど、表現力とチームワークには定評があり、定期演奏会には多くの市民が訪れます。全国大会への復帰が待たれる存在であり、九州大会で披露された実力からしても、再び全国の舞台でその名を響かせる日はそう遠くないでしょう。
沖縄市立美里中学校(沖縄県)
沖縄市立美里中学校の吹奏楽部は、沖縄県内で屈指の実力を誇り、全国大会への出場経験こそありませんが、九州大会常連の強豪校としてその名が知られています。
美里中の魅力は、躍動感あふれるリズムセクションと豊かな旋律表現力です。沖縄の音楽文化の影響もあってか、打楽器パートのノリが良く、全体のサウンドに独特のグルーヴ感を与えています。
部員たちは非常に仲が良く、「音楽を楽しむこと」を大切にしており、その雰囲気がステージ上にも表れています。地域との繋がりも強く、地元のエイサー祭りやイベントで演奏を披露することもあり、地域ぐるみで吹奏楽部を応援する土壌があります。
指導者は「島全体で育てる音」として、美里中吹奏楽部が沖縄県の代表となれる日を目指し日々精進しています。九州支部のみならず全国のファンからも注目される存在であり、将来全国大会の舞台でその音色を響かせることが期待されています。
都城市立妻ケ丘中学校(宮崎県)
都城市立妻ケ丘中学校は、宮崎県における吹奏楽の名門校の一つです。これまで全国大会への出場経験はありませんが、宮崎県大会での金賞常連校です。
妻ケ丘中のサウンドは、柔らかく歌心あふれる音色と安定感のあるアンサンブルが魅力。自由曲では毎年難易度の高い作品にも積極的に挑戦しており、例えば過去にはA.リード作曲の「アルメニアン・ダンス パートI」を圧巻のアンサンブルで演奏して話題となりました。
学校・保護者からのサポートも厚く、地域のコンクールでは地元の吹奏楽OBやプロ奏者を招いた合同練習なども行い、部員たちの刺激となっています。今後さらに実力を磨き、宮崎県勢として悲願の全国大会出場を果たす日を、地元都城のみならず多くの人々が待ち望んでいます。
大分市立王子中学校(大分県)
大分市立王子中学校の吹奏楽部は、全国大会への出場歴はないものの、県大会・九州大会で安定した成績を収めています。近年では2023年・2024年と連続して九州吹奏楽コンクールに大分県代表として出場し、それぞれ銀賞を受賞しました。
王子中の演奏は、伸びやかで澄んだハーモニーが特長。特に木管楽器の美しい旋律と、金管楽器の柔らかな音色のブレンドが見事で、聴いていて心地よさを感じさせます。また、作品の細部まで表情豊かに描き出す表現力にも定評があります。
地域との交流も盛んで、地元のプロオーケストラ団員による指導を受ける機会が設けられたり、地域の音楽祭に招待出演したりと、恵まれた環境で経験を積んでいます。
大分県勢としては全国大会の壁は厚いものの、王子中学校吹奏楽部は着実に力を蓄えており、「次こそは!」と期待するファンも少なくありません。その爽やかなサウンドで全国の舞台に立つ日を、多くの人々が心待ちにしています。
離島から都市部まで、多様な環境で育まれてきた九州の各吹奏楽部。各中学校がそれぞれの個性と地域性を活かしながら、各地にその名を轟かせてきました。
今後の全日本吹奏楽コンクールでも、彼らの成長と新たな名演に期待が高まります。ぜひ、これからの活躍にもご注目ください。