【E部門 金賞・全音楽譜出版社賞】第20回フレッシュ横浜音楽コンクール 松本純音さんにインタビュー!

松本純音さまアイキャッチ

2026年8月2日(日)・3日(月)にフィリアホール(横浜市青葉区)で開催された「第20回フレッシュ横浜音楽コンクール」E部門(高校生)において金賞、さらに全音楽譜出版社賞を受賞された松本純音さん。小学2年生で出場した第12回から数えて、9回連続の入賞です。今回は同コンクールをはじめ、これから音楽コンクールに挑戦する方に向けてお話を伺いました。


取材・文|編集部

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プロフィール

松本さま

松本 純音(まつもと じゅね/June Matsumoto)
神奈川県川崎市生まれ / 桐朋女子高等学校音楽科(男女共学)1年在学中

6歳よりピアノを、8歳より作曲を学ぶ。2019年度ヤマハマスタークラス ピアノ演奏研究コース在籍。
これまでにピアノを矢野ひろみ、本間美知子、今野尚美、今井彩子の各氏に、指揮を新田ユリ氏に、作曲を喜久邦博氏に、ソルフェージュを岡田久常、福田友子の各氏に師事。

趣味・特技
趣味は油絵を描くこと、2匹の愛犬を愛でること。特技はスウェーデン語が話せること。

主な受賞歴
第35回日本クラシック音楽コンクール
中学校女子の部 第4位(第1位・第2位なし)

第7回日本奏楽コンクール
中学の部 第1位、ロマン派音楽賞

ベーテン音楽コンクール自由曲コース
第14回 小学3・4年生の部 第3位/第16回 連弾Aの部 第1位/第19回 中学生の部(動画審査) 金賞

第49回全日本ジュニアクラシック音楽コンクール
中学3年生の部 審査員賞

かわさきピアノコンクール
第1回 C部門 第3位/第2回 C部門 第3位/第5回 D部門 第1位、公益財団法人川崎市文化財団賞

フレッシュ横浜音楽コンクール
第12回 A部門 銀賞/第13回 B部門 銅賞/第14回 B部門 銀賞、審査員特別賞/第15回 C部門 銀賞/第16回 C部門 入選、連弾B部門 金賞/第17回 D部門 銅賞/第18回 D部門 銀賞/第19回 D部門 金賞/第20回 E部門 金賞、全音楽譜出版社賞

主な演奏活動
2020年 ヤマハミュージックジャパン主催「リトルピアニストコンサート2020」出演
2022年 スウェーデン大使館ルシア祭にてピアノ演奏
2023年 第38回こどもたちへ JFCキッズBOXピアノコンサート 出演

第20回フレッシュ横浜音楽コンクールを終えて

松本純音さま

──コンクール、お疲れさまでした!受賞を知った瞬間は、どのようなお気持ちでしたか?

松本
ありがとうございます。いつも素敵な演奏をされる方が集まるコンクールなので、まさか金賞をいただけるとは思っておらず、すごく驚きましたし、とても嬉しかったです。

第20回を記念した全音楽譜出版社賞という貴重な賞までいただくことができて、大変光栄に思っています。副賞としてハンドベルをいただけたことも嬉しくて。ちょうど私の誕生日が近かったこともあり、素敵なプレゼントをいただいたような気持ちになりました。

──なぜこのコンクールに挑戦しようと思われましたか?

松本
ピアノを始めたばかりの頃、同じ教室に通う先輩方がみなさん受けていらして、興味を持ったのがきっかけです。小さかった私にとって、フィリアホールのような大きな舞台は初めてで、なんだかピアニストになれたような気がして嬉しかったことを覚えています。それ以来、毎年楽しく受けさせてもらっています。

このコンクールは、小学校中学年までは課題曲があるので、多様なジャンルを勉強することができました。高学年以降は自由曲のみで参加でき、自分の持ち味を活かしたレパートリーを勉強できることも、魅力の一つだと思います。

また、受講枠は限られていますが、コンクール前に審査員の先生のアドヴァイスレッスンの機会が設けられていたり、予選・本選ともに講評をいただけたり、本選で入賞すれば12月の受賞者記念コンサートで改めて演奏の機会が得られたりと、たくさん勉強できる場が用意されています。こうしてみると、私はこのコンクールを通じて本当にたくさんのことを学ばせていただいているのだなと、改めて感謝の気持ちでいっぱいです。

小学2年生から高校1年生まで──フレッシュ横浜音楽コンクールとともに

松本さんが初めてこのコンクールの舞台に立ったのは、小学2年生のとき。第12回のA部門で銀賞を受賞して以来、今回の第20回まで一度も欠かさず参加し、そのたびに受賞を重ねてきました。

学年 部門
第12回 小学2年 A部門 銀賞
第13回 小学3年 B部門 銅賞
第14回 小学4年 B部門 銀賞、審査員特別賞
第15回 小学5年 C部門 銀賞
第16回 小学6年 C部門 入選
第17回 中学1年 D部門 銅賞
第18回 中学2年 D部門 銀賞
第19回 中学3年 D部門 金賞
第20回 高校1年 E部門 金賞、全音楽譜出版社賞

※第16回では連弾B部門でも金賞を受賞。

──自由曲は何の曲を演奏されましたか?選曲理由も教えてください。

第20回フレッシュ横浜音楽コンクール本選/松本純音 プロコフィエフ:ピアノ・ソナタ 第1番 ヘ短調 Op.1
動画提供:横浜音楽振興会

松本
予選・本選ともに、プロコフィエフのピアノ・ソナタ第1番 Op.1を演奏しました。これまでロシアの作曲家の曲をあまり勉強してこなかった私にとっては、大きな挑戦となる一曲でした。

それでも、この曲を初めて聴いたとき、何度も出てくる歌うような旋律や、パッと視界が広がって美しい情景が映し出されるような場面に惹かれて、難しそうだけれど、やっぱり勉強してみたいなと思ったんです。

練習していく中で、背が低い私でも、ロシア人の大男が弾いているかのようなダイナミックな演奏ができるのだろうかと不安に思うこともありました。でも、自分の表現の幅を広げるいいきっかけになるとポジティブに捉えて、歌心を忘れずに演奏すればこの曲の良さはきっと伝わると思い、この曲で参加することにしました。

──コンクール準備期間について教えてください。

松本純音さま

松本
高校生活が始まり、新しい環境の中で学業と両立するのは、とても大変でした。実技を含めた学校のさまざまな試験とコンクールが重なっている時期もあり、時間配分を考えながら過ごす必要がありました。

音楽高校なので、学校には本当に優秀な人が集まっていて、みんながそれぞれ練習に励んでいます。その中で自分の練習が行き詰まってしまうこともありましたが、友人と楽しい話をしたり、美味しいものを食べたりして、気分を切り替えようとしました。

また、先生方は普段のレッスン以外にも弾き合いの機会を作ってくださるなど、たくさんの時間を割いてくださいました。そのような時間を通じて、自分の演奏が自分勝手になっていないかを確認できたり、新しい表現の可能性に気づけたりしたことは、とても有意義な経験でした。

──練習をするにあたって、どのようなことに気を付けましたか?

松本さま
撮影:大竹直樹

松本
この曲は私にとってチャレンジングな曲だったので、弾き通せるようになるまでにとても時間がかかりました。

一曲を通して和音をたくさん掴む曲でもあるので、手の小さい私は、しっかりと中の音が鳴っているかを確認したり、各声部をちゃんと聴きながら弾けるように練習したりしました。曲の冒頭から音の厚みが必要なのですが、勢い任せな演奏にならないようにするのが難しかったです。コロコロと音色を変えなければならないところもたくさんあるので、パッと音色を切り替えるのにも苦労しました。

私は昔からソナタ形式の曲で、うっかり提示部と再現部を弾き間違えてしまうことがあるので、本番前には確認のためにゆっくり通す練習をしました。それから、ペダルを多用してしまうのが私の悪い癖なので、音の濁りやペダルの深さ・量にも気をつけて練習するよう心がけました。

──本番当日のお気持ちをお聞かせください。

松本
本番当日はたっぷり睡眠をとって、すっきりとした気持ちで朝を迎えることができました。またフィリアホールで演奏できることを嬉しく思いながら、良い緊張感を持って会場入りしました。

とても響きの良いホールなので、ペダルの量や音のバランスなどが美しく聴こえているかを気にしながら演奏しました。本番中、思いがけずミスをしてしまったり、うまくいかなかったところもあったのですが、そこに気を取られすぎないように心がけて演奏を続けました。

演奏後にお辞儀をした際、聴いてくださった方から温かい拍手をいただいて、ホッとしました。

──これまでの歩みを振り返って、ご自身の変化を感じることはありますか?

松本純音さま

松本
小さい頃は、曲が弾けるようになると家族に聴いてもらったり、先生に丸をもらえたりするのが嬉しくて、純粋な気持ちで練習していたと思います。コンクールも、弾けるようになったから大きなホールで弾いてみたい、という気持ちで出ていました。

作曲は組曲を中心に作っていたので、始めの頃は物語を想像して、場面ごとに必ず絵を描いてから曲作りをしていました。ピアノと同時にエレクトーンによるアンサンブルのレッスンも受けていたのですが、年に数回ある発表会で友達と一緒に演奏できるのが一番の楽しみだったことを覚えています。

成長するにつれて、ピアノや作曲だけでなくソルフェージュも勉強するようになり、一人で練習するときにどう弾こうかと工夫するようになっていった気がします。新しい曲に取り組む際は、音の方向性や和音の感じ方を自分なりにいろいろ工夫してみるのが好きで、レッスンの中で先生方からアドバイスをいただけるのも、とても勉強になっています。

──作曲やアンサンブルの経験は、今の演奏にどう活きていますか?

松本
作曲では、組曲以外に変奏曲やソナタなどさまざまな楽式で作ったり、ヴァイオリンやフルートとの二重奏を作ったりしてきました。形式ごとの見せ場や工夫のしどころをどう作るかで悩んだり、楽器に合ったフレーズを考えたりすることは、楽しくもあり大変でもありました。

でも、そのような経験のおかげで、自分がピアノ曲を演奏するときでも、作曲家がどんな工夫を凝らしているのか、自分なりに思いを巡らすようになったと思います。

小さい頃から私をみてくださっている先生は、今取り組んでいる曲がピアノ曲であっても、「この曲をオーケストラで演奏するとしたら、ここはどんな楽器で奏でるかな」と考えるように促してくださいます。アンサンブルや作曲を学んできたからこそ、そのような音楽への姿勢が大切なのだと、今は強く感じています。自分一人ではまだまだ説得力のある表現をすることはできませんが、より良い表現はないのかなと、楽しみながら日々練習に取り組んでいます。

──フレッシュ横浜音楽コンクールに挑戦する方へのメッセージをお願いします。

松本
フレッシュ横浜音楽コンクールは、自由でとても温かいコンクールです。スタッフの方も丁寧で優しく、初めて客席の前で弾く舞台としてもすごく良いと思います。

私が未熟な演奏をしてしまったときでも、審査員の先生方はいつも温かいお言葉をくださって、それが今までの練習の励みになってきました。ぜひ皆さんも受けてみてください。そして本番当日は、AKIRAホールやフィリアホールの素敵な響きを楽しんでください!

──今後の目標、将来の夢をお聞かせください。

松本
私はまだまだ知らないことがたくさんあるので、学校の授業やさまざまな曲に触れる機会を通して、少しでも自分のレパートリーを増やしていきたいと思います。ゆくゆくは、自分の曲のイメージが、聴いてくださる方に届くような演奏ができるようになりたいです。

また、高校では指揮も学んでいて、オーケストラのコンサートに行った際も聴くポイントや見方が変わったので、ピアノで演奏するときにも活かしていきたいと思います。

松本純音さま
松本純音 information

2026年11月15日(日)『第5回かわさきピアノコンクール入賞者コンサート』
会場:カルッツかわさき(アクトスタジオ)

2026年12月13日(日)『第20回フレッシュ横浜音楽コンクール受賞者記念コンサート』
会場:フィリアホール

「受賞者記念コンサートに出演させていただく予定です。まだ勉強中の身ですが、聴きにきてくださった方に楽しんでいただけるよう精一杯頑張ります!」

インタビューを終えて──編集後記

小学2年生で出場した第12回のA部門で銀賞。そこから高校1年生の今回まで、松本さんは一度も欠かすことなくこの舞台に立ち、そのすべてで賞を受け取ってこられました。部門が上がれば求められるものも変わります。それでも「毎年楽しく受けさせてもらっています」という一言に、続けることの強さが表れているように思います。

また、松本さんから伝わってきたのは、音楽に向き合う手つきの丁寧さでした。手の小ささを言い訳にせず、和音の中の音が鳴っているかを一つずつ確かめる。ペダルの深さと量を測り直す。金賞の裏側にあったのは、そうした地道な積み重ねと、「歌心を忘れずに演奏すれば、この曲の良さはきっと伝わる」という一本の芯でした。

「私が未熟な演奏をしてしまった時でも、審査員の先生方はいつも温かいお言葉をくださり、今までの練習の励みになってきました」。思うようにいかなかった年も、その言葉を次の一年に変えてこられたのだと思います。12月13日には、フィリアホールでの受賞者記念コンサートが控えています。松本さんのこれからの歩みを、心から応援しております。

このたびは貴重なお話をありがとうございました。

松本さま
撮影:大竹直樹

第20回フレッシュ横浜音楽コンクールの概要は下記よりご覧ください

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