現地時間10月12日深夜(日本時間13日午前6時過ぎ)、ワルシャワ・フィルハーモニーで開催中の第19回ショパン国際ピアノコンクールの2次予選結果が発表され、日本人3名を含む20名が3次予選進出を果たした。
日本からは牛田智大(25)、桑原志織(30)、進藤実優(23)の3名が選出され、世界最高峰のピアノコンクールでの健闘ぶりを示した。
桑原志織がエリザベート王妃コンクール・ファイナリストの実力で堂々通過
東京都出身の桑原志織(30)は、2次予選で舟歌での繊細なタッチから幻想曲や英雄ポロネーズでの骨太なサウンドまで、ダイナミックで説得力のある演奏を披露。
今年のエリザベート王妃国際音楽コンクールでファイナリスト入選を果たした実力を余すところなく発揮し、「ひときわ長い拍手を浴び、聴衆を惹きつける様子が配信の画面からも伝わってきた」と評された。
進藤実優は前回セミファイナリストとして順当な結果
愛知県大府市出身の進藤実優(23)は、前回2021年大会でセミファイナリスト(3次予選通過者)となった経験を活かし、今回も着実に実力を発揮。
2次予選では前奏曲集全曲を選択し、「個々の楽曲のキャラクターを巧みに描き分け、彼女ならではの世界観を情感豊かに聴かせた」とその集中力の高さが評価された。


この動画を YouTube で視聴
牛田智大が前回リベンジを果たし3次予選の舞台へ
福島県いわき市出身の牛田智大(25)は、前回2021年大会で2次予選30位となり通過を逃した雪辱を晴らし、今回は3次予選進出を決めた。
マズルカ風ロンドで軽やかで研ぎ澄まされたタッチから始まり、ソナタ第2番、前奏曲集からの抜粋、英雄ポロネーズで「正統派のピアニストとしての本領を発揮」した演奏が評価された。


この動画を YouTube で視聴
全20名中で中国最多6名、日本は韓国と並ぶ健闘
今回の3次予選進出者20名の国別内訳は、中国が最多の6名、日本と韓国がそれぞれ3名、地元ポーランドが3名、カナダとアメリカが各2名、ジョージアとマレーシアが各1名となった。
本大会参加者数では中国の28名に対し日本は13名だったことを考えると、日本勢の通過率の高さが際立っている。
中国勢では16歳のTianyao Lyuなど若手の活躍が印象的で、韓国からはHyo LeeとHyuk Leeの兄弟が揃って通過するなど、アジア勢の実力の高さが改めて証明された。なお、抜群のテクニックで注目されていた19歳のZhexiang Liは惜しくも3次予選進出を逃した。
公式YouTube無料配信で3次予選も視聴可能
3次予選は10月14日から16日までの3日間開催され、各出場者は45~55分のステージでソナタ第2番または第3番、指定されたマズルカ、その他自由曲を演奏する。
コンクールの模様は引き続き、ポーランド国立ショパン研究所の公式YouTubeチャンネル「Chopin Institute」で無料ライブ配信される。モーニング・セッションは現地時間10:00(日本時間17:00)、イヴニング・セッションは17:00(日本時間24:00)開始予定。
今回の採点方式は25点満点で点数をつけ平均をとる方式で、3次予選進出者は1次予選30%、2次予選70%の配分による累積点で決定された。各審査員の採点結果はコンクール終了後に公表される予定。