【北海道】吹奏楽コンクール強豪高校10選!【2025最新】

【北海道】吹奏楽コンクール強豪高校10選!【2025最新】特集

全国大会出場回数40回超の名門から、わずか数年で全道金賞へ駆け上がった新星まで――。北海道支部の彩り豊かな強豪校が、全国の大舞台でさまざまなドラマを生み出しています。

本記事では第72回全日本吹奏楽コンクール(2024年開催)までの実績を中心に振り返りながら、北海道で高い実力を誇る注目校10校を厳選。強みや特徴にスポットを当てながら、各校の強豪たるゆえんに迫ります。

読めば今年のコンクールがもっと楽しくなるはず!各校の名演動画とともにお楽しみください。

目次

東海大学付属札幌高等学校

【CD収録】東海大学付属札幌高等学校 自由曲:ドラゴンの年(2017年版)/スパーク 指揮:井田重芳(第72回全日本吹奏楽コンクール)
ドラゴンの年(2017年版)/スパーク

最近5年の全国大会出場は、2021年、2022年、2023年、2024年(2020年はコロナ禍につき大会中止)。1978年から2024年まで41回連続で全国大会に出場している名門です。これまで全国大会で25回の金賞に輝いており、北海道のみならず全国トップクラスの実力を誇ります。

2024年の全国大会では自由曲にフィリップ・スパーク作曲の《ドラゴンの年(2017年版)》を選曲し、雄大なサウンドで“ドラゴンが大地から飛び立つ情景を表現。同年は、当日の発表では銀賞とされましたが、後日金賞に訂正されるという驚きの展開もありました。

「基本に忠実に、聴いて頂く方々に感動してもらえる音楽作り」を合言葉に掲げ、部員一人ひとりが基本に忠実な練習を積み重ねています。50年近くにわたり指導を続けてきた名物顧問・井田重芳先生のもと、朝練なし・平日2時間程度の効率的な練習で「雄大でおおらかなサウンド」を追求している点も特徴的。初心者も歓迎する門戸の広さながら、団結力で全国トップレベルの演奏に仕上げる指導体制は「北の王者」と称されるゆえんです。

北海道遠軽高等学校

【CD収録】北海道遠軽高等学校 自由曲:吹奏楽のための風景詩「ジャングル」/フェラン 指揮:高橋利明(第71回全日本吹奏楽コンクール)
吹奏楽のための風景詩「ジャングル」/フェラン

最近5年の全国大会出場は、2022年、2023年。両年とも全日本吹奏楽コンクールに加え全日本マーチングコンテスト、全日本アンサンブルコンテストにも出場するなど、複数部門で全国レベルの実績を持ちます。

2022年の全国大会では、自由曲にフランコ・チェザリーニ作曲の「交響曲第1番《アークエンジェルズ》」を選曲。天使を描いた壮大な交響詩の世界を緻密なアンサンブルで表現しました。2023年の同大会ではフェランの「吹奏楽のための風景詩《ジャングル》」を堂々と演奏。2年連続で銀賞に輝きました。

遠軽高校の最大の強みは、地方公立校ながら全国屈指ともいわれる恵まれた練習環境です。地元遠軽町の支援で2022年に開館した、音楽ホールを持つ「メトロプラザ」。こちらを日常的な合奏拠点としており、プロ仕様の打楽器類を練習に使える環境が整っています。地域の期待を背負う注目のバンドです。

札幌日本大学高等学校

【CD収録】札幌日本大学高等学校 自由曲:バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り/ラヴェル(佐藤正人) 指揮:木田恵介(第72回全日本吹奏楽コンクール)
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲より 夜明け、全員の踊り/ラヴェル

最近5年の全国大会出場は、2021年、2024年。北海道を代表する私学の一つで、全国大会通算出場回数9回を誇ります。

2021年の全国大会では、R.シュトラウスの「楽劇《サロメ》 より 7つのヴェールの踊り」を自由曲に選曲し、銅賞を受賞しました。2024年の同大会では、モーリス・ラヴェル作曲の「バレエ音楽《ダフニスとクロエ》第2組曲より 夜明け、全員の踊り」を選曲。古代ギリシャの恋物語を高い技術力と豊かな表現力で情感たっぷりに演奏し、銀賞を受賞しました。

指揮を執る木田恵介先生は、これまでに様々な学校を全国大会に導いてきた名指揮者。2024年には「長年出場指揮者表彰」を受けています。そんな木田先生の下、「一体感」をスローガンに掲げる部員たち。仲間と心を一つにするアンサンブルを大切に日々練習に励んでいます。選曲傾向はクラシックの大作や物語性豊かな作品が多く、高度な表現力で作品の世界観を描き出す演奏に定評があります。

北海道札幌白石高等学校

2021クリスマスコンサートより Xmas Swingin’ コレクション
2021クリスマスコンサートより Xmas Swingin’ コレクション

最近5年は全国大会に出場していませんが、全国大会通算23回出場(招待演奏含む)の実績を持つ道内屈指の強豪校です。近年は惜しくも全国出場を逃しているものの、北海道支部大会では毎回安定して代表候補に名を連ねており、その実力は今なお健在。2022年、2023年、2024年と3大会連続で北海道支部大会金賞を受賞しています。

1977年、開校と同時に創部された歴史ある吹奏楽部です。部員数100名近くを数える大所帯で、毎年8月に開催する定期演奏会は満員になるほどの人気イベント。2016年に映画化された漫画「青空エール」のモデルになったバンドとしても知られます。

大編成主体ですが、アンサンブルコンテストでも全国上位に入賞するなど小編成・ソロにも強みがあります。

北海道旭川商業高等学校

【3年生卒業記念プレミア公開】2025.02.01 北海道旭川商業高等学校吹奏楽部/網走特別公演2025
北海道旭川商業高等学校吹奏楽部/網走特別公演2025

最近5年は全国大会に出場していないものの、過去に全国大会で金賞受賞経験がある実力校です。旭川地区で古くから強豪として君臨し、特に1990年代~2000年代には全国大会に何度も出場しています。近年も旭川地区代表として北海道大会に出場し、金賞を獲得しており、その実力は折り紙付きと言えるでしょう。

旭川商業吹奏楽部の強みは、歌心あふれるフレーズとダイナミックなサウンド。旭川市の吹奏楽部経験者が進学してくることから、地域のネットワークを活かした層の厚いバンドづくりが可能となっている点も強みと言えます。

かつて同校を全国大会へ導いた名将・佐藤淳先生が旭川明成高校へ移動し、2022年からは橋本一歩先生のもとでの新体制となりました。新たなるステージへの飛躍に期待がかかります。

北海道旭川明成高等学校

【公認】バッハザイツ【旭川明成高校吹奏楽部】【定期演奏会2023】
バッハザイツ~シャコンヌの主題による3つの幻想/シュテルト

最近5年は全国大会に出場していません。しかしながら、いま波に乗っている新進気鋭の強豪校です。2023年、2024年には北海道大会で2年連続金賞を受賞するという快挙を成し遂げました。旭川商業高校に次ぐ存在へと急成長しており、近い将来の全国大会初出場が期待されています。

2023年の北海道大会ではシュテルト作曲「バッハザイツ~シャコンヌの主題による3つの幻想」を自由曲に選曲。また、2024年の同大会では樽屋雅徳作曲「Crossfire 2023 ed. – November 22 J.F.K」を選曲。いずれも代表選出には至らなかったものの金賞を受賞し、旭川地区の新星として存在感を示しました。

同校の原動力は、顧問の佐藤淳先生の指導力。佐藤先生は前述の旭川商業高で全国金賞を獲得した名指導者です。2022年より明成高校に赴任すると、短期間で全国大会を狙えるレベルまで部を育て上げました。いま目が離せないバンドです。

北海道北見北斗高等学校

コンパス・オブ・ユア・ハート
コンパス・オブ・ユア・ハート/A.メンケン

最近5年は全国大会に出場していませんが、近年北海道大会で上位の成績を残している実力校です。2023年、2024年の北海道大会で、2年連続金賞を受賞しています。

2023年の北海道大会では「交響詩《ローマの祭り》 より 1. チルチェンセス 4. 主顕祭」を、2024年の同大会では「ブリュッセル・レクイエム」を自由曲に選曲。代表選出こそ逃しましたが、完成度の高い演奏で全国レベルへ迫る勢いを示しました。

2021年から佐野竜矢教諭のもと、新体制で練習に励んでいます。部員は70名前後の大編成。自由曲は難易度の高い曲を選ぶ傾向にあり、挑戦的姿勢を貫きます。アンサンブルやソロのさまざまなコンクールに積極的に参加し、実力を磨いているのもポイントです。

市立函館高等学校

Stage Drill「JOSEPH CURIALE-4」/市立函館高等学校吹奏楽局2019
Stage Drill「JOSEPH CURIALE-4」/市立函館高等学校吹奏楽局2019

最近5年は全国大会に出場していないものの、北海道大会で活躍が目立ちます。北海道大会には毎年のように出場しており、特に2023年、2024年には連続して金賞を獲得しています。

2023年の北海道大会では自由曲にアッペルモント作曲「ブリュッセル・レクイエム」を選曲。また、2024年の同大会では、K.デイ作曲「《ウインドアンサンブルのための協奏曲》より II. Riff、IV. Soul、V. Jam」を選曲し、アメリカ音楽のエッセンスを融合したサウンドで会場を沸かせました。

一人ひとりが高い意識で音楽をつくり上げている中規模バンド。定期演奏会にも力を入れており、クラシック、ポップス、ステージドリルとバラエティ豊かな演目が人気を集めています。

遺愛女子高等学校

【プロモーション】遺愛女子高等学校吹奏楽局「宝島」
宝島/和泉宏隆(作曲)/真島俊夫(編曲)

最近5年は全国大会に出場していませんが、函館地区代表として北海道大会へ頻繁に出場しています。特に2017年から2022年にかけては、コロナ禍で大会中止となった2020年を挟み5大会連続で北海道大会に出場し、5大会とも金賞を獲得しています。

2021年の北海道大会では、アッペルモント作曲の「ブリュッセルレクイエム」を自由曲に選曲。2022年の同大会ではバルトークの組曲「中国の不思議な役人」を選曲しています。いずれも代表選出は逃しましたが、全国大会へあと一歩のところまで迫りました。

函館遺愛女子高校は、北海道最古のミッションスクール。校舎の一部は国の重要文化財にもなっている、伝統ある学校です。道南の吹奏楽をリードする清楚で品格あるサウンドに注目が集まります。

北海道中標津高等学校

最近5年は全国大会に出場していませんが、昭和から平成中期頃までは北海道大会の常連校でした。特に1970年~1980年代にかけては遠軽高校に並ぶ強豪として名を馳せました。

近年は地区大会止まりとなることが多いものの、2021年にはC編成で北海道大会へ進み、銀賞を受賞しています。この時の自由曲は片岡寛晶作曲の「天空の騎士~吹奏楽のためのファンタジー」でした。

小規模ながらアットホームな雰囲気で、パートを超えたまとまりが強み。コンクールのほかにも野球応援や定期演奏会などで幅広く活躍を見せています。特に定期演奏会には毎年多くのファンが足を運んでおり、同校の人気ぶりが伺えます。

長い伝統を誇る名門から新たに台頭した新星まで、それぞれのバンドが培ってきたカラーやサウンドがあります。各校が音色に込める想いに、北の大地が生んだ吹奏楽の魅力や奥深さが感じられました。

さて、2025年の全日本吹奏楽コンクールでは、はたしてどんなドラマが生まれるのでしょうか?吹奏楽に青春をささげる若者たちの健闘を、ともに見守りましょう!

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