【関西】吹奏楽コンクール強豪高校10選!【2025最新】

【関西】吹奏楽コンクール強豪高校10選!【2025最新】特集

関西支部の強豪校は、淀工・桐蔭・明浄だけじゃない!近年は仰星や近大附属など新勢力が頭角を現し、ハイレベルな戦いに磨きがかかっているのをご存知でしょうか?

本記事では第72回全日本吹奏楽コンクール(2024年開催)までの実績をメインに振り返りながら、関西で高い実力を持つ注目校を10校を厳選。強みや特徴にスポットを当てて、瑞々しい高校生サウンドとともに各校の魅力を紹介します。

現役吹部員だけでなく、OB、保護者、その他吹奏楽ファンの「もっと知りたい」にこたえます。ぜひ吹奏楽コンクール前の予習に役立ててくださいね。

目次

大阪桐蔭高等学校

2025年度 全日本吹奏楽コンクール課題曲Ⅲ マーチ「メモリーズ・リフレイン」/伊藤士恩【大阪桐蔭吹奏楽部】
マーチ「メモリーズ・リフレイン」/伊藤士恩

最近5年の全国大会出場は、2021年、2022年、2023年、2024年です。(2020年はコロナ禍につき大会中止。)2021年、2023年、2024年にはいずれも金賞を受賞しています。2005年に吹奏楽部ができて、翌年に初出場で全国まで進んだ驚異的な学校で、その後もほぼ毎年全国大会に出場。現在、西日本を代表する強豪校と言えるでしょう。

オーケストラ編曲からジャズ、ミュージカルまで幅広いレパートリーで知られ、選曲の「読めなさ」にかけては日本一かもしれません。2021年は邦人作品「吹奏楽のための協奏曲」(高昌帥)を選び金賞を獲得。2024年全国大会では「ミュージカル《オペラ座の怪人》より」を演奏し、安定の表現力で金賞を獲得しました。200人近い部員を誇り、選抜メンバーだけでなく部員全員で音楽を作り上げるスタイル。マーチングやアンサンブルコンテストでも全国レベルの活躍を見せており、大人顔負けの実力には驚かされます。今年も観客を魅了するサウンドと、選曲含めたチャレンジ精神に注目です。

明浄学院高等学校

【CD収録】明浄学院高等学校 自由曲:紺碧の波濤/長生 淳 指揮:小野川昭博(第71回全日本吹奏楽コンクール)
紺碧の波濤/長生 淳

最近5年の全国大会出場は、2021年、2023年。全国大会には通算18回出場しており、そのうち金賞3回という実績を持ちます。初出場は1998年の古豪。現在も特別顧問・総監督の小野川昭博先生のもと毎年のように全国大会に名を連ねています。

毎年の演奏はいずれもお手本のように丁寧な曲作りで定評があります。2023年全国大会では自由曲に「紺碧の波濤」(長生淳)を選び、繊細な表現力が評価され、銅賞を獲得。2024年関西大会では「白磁の月の輝宮夜」(樽屋雅徳)で音色を巧みに変化させ、惜しくも代表は逃したものの、金賞を受賞しました。丁寧かつ緻密なアンサンブルが持ち味で、完成度の高さが光ります。熱量よりも正確さと美しさを重視したサウンドにはファンも多いでしょう。コンクール、定期演奏会、マーチングと幅広く活躍しながら全て高いクオリティを維持する強豪校です。

大阪府立淀川工科高等学校

【8K UltraHD】第37回全日本高等学校選抜吹奏楽大会プレイベント プロムナードコンサート(浜松吹奏楽大会) / 出場全団体(2025-03-22)
第37回全日本高等学校選抜吹奏楽大会プレイベント プロムナードコンサート

最近5年の全国大会出場は2022年で、銀賞を受賞しています。全国大会には通算41回出場しており、その出場回数は全国トップクラス。また、全国金賞30回以上という驚異的な実績を誇ります。

故・丸谷明夫先生率いた伝統校。長年にわたり「吹奏楽の神様」と称されるサウンドを築いてきました。特に1990年代~2000年代にかけては「アルメニアンダンス」「交響曲第3番」など重厚な選曲で何度も金賞に輝き、「淀工サウンド」と呼ばれるダイナミックかつ精緻な合奏が評価されました。2022年には現顧問の出向井誉之先生のもと「大阪俗謡による幻想曲」を力強く演奏。健在ぶりを示しています。練習中は生徒同士が積極的に意見を出し合い、「思いを音にする」自主性を重視。在校生・OBの数とネットワークも非常に豊かで、吹奏楽界で一目置かれています。豪快なサウンドと緻密なアンサンブルを両立させるそのスタイルは、まさに高校吹奏楽のレジェンドといえるでしょう。

東海大学付属大阪仰星高等学校

春の猟犬/東海大仰星吹奏楽部【 第 34 回 定期演奏会 】
春の猟犬(第34回定期演奏会)

最近5年の全国大会出場は、2021年、2022年、2023年、2024年(いずれも銀賞)。2019年に念願の初全国大会出場を果たして以来、一気に関西代表の常連に躍り出ました。

2024年には「神話と幻獣~アウトレイジ」(P.スパーク)を演奏。不穏な場面から楽園の情景まで表情豊かな音色で聴かせました。多彩な表現力が評価され、全国大会でも高い完成度を維持しています。

長年「御三家」と呼ばれた淀川工科・大阪桐蔭・明浄学院の牙城に割って入った、新進気鋭の強豪校。その快進撃は関西吹奏楽界でも大きな注目を集めました。自由曲には比較的有名な曲を選ぶ傾向がありますが、既知の名曲でも自分たちの音楽に昇華し全国出場を勝ち取る地力の高さが光ります。

近畿大学附属高等学校

近畿大学附属高校 / 第4回泉南四季音楽祭 JAZZ & POPS STAGE / ♪イン・ザ・ストーン ♪ディア・ミスター・ジョーンズ ♪宝島 ♪ブルー・ムーン ♪セプテンバー
第4回泉南四季音楽祭 JAZZ & POPS STAGE

最近5年の全国大会出場は、2024年。11年ぶり3回目の全国大会出場で、「宇宙の音楽」(P.スパーク)を堂々と演奏。銀賞を受賞しました。関西大会では上位常連の実力校です。

吹奏楽コンクールだけでなくアンサンブルコンテストやシンフォニックジャズ&ポップスコンテストでも全国大会出場経験があります。シンフォニックジャズ&ポップスコンテスト全国大会では近年グランプリを何度も受賞。クラシック以外のジャンルでも力を発揮しています。2024年3月には2度目となるウィーン、シュテファン大聖堂での単独公演を成功させました。こうしたワールドワイドな活躍と高い技術力で知られる伝統校です。

天理高等学校

「ウインドオーケストラのためのマインドスケープ」天理高校『Joyous Sounds』(39)
「ウインドオーケストラのためのマインドスケープ」天理高校

最近5年は全国大会に出場していません。近年は関西大会止まりが続いているものの、歴史的には全国大会常連校で、通算出場回数は38回にものぼります。金賞受賞回数においても全国トップクラスの実績を持ちます。

創部1936年の伝統校。特に昭和~平成初期には全国金賞の常連として名を馳せ、重厚な宗教曲の表現力に定評がありました。現在も関西大会にはほぼ毎年出場しており、2023年度も奈良県代表として関西大会に進出し、銀賞を受賞しています。70年以上の歴史に裏打ちされた伝統と指導体制が同校の強み。天理教の精神に基づく人間教育の一環として音楽活動が位置づけられ、部員の規律正しさや礼儀も評価されています。全日本でも有数の古豪として培った表現力は健在で、現在も奈良県勢を牽引する存在です。全国大会への復活が期待されます。

尼崎市立尼崎高等学校

2025年3月29日 尼崎市立尼崎高等学校吹奏楽部 阪神尼崎駅前 中央公園リニュアルオープンイベント
阪神尼崎駅前 中央公園リニュアルオープンイベント

最近5年は全国大会に出場していないものの、かつては全国大会常連として活躍した実績がある伝統校です。

近年また活躍の兆しを見せている同校。2023年には6年ぶりに兵庫県代表として関西大会へ進出しました。「交響詩《英雄の生涯》」(R. シュトラウス)を演奏し、金賞を受賞しています。2024年にも続けて関西大会に出場し、「3つの交響的スケッチ《海》より 第3楽章 風と海の対話」(ドビュッシー)を演奏。銀賞を受賞しました。

迫力のブラスセクションが持ち味で、大編成ならではの豪快なサウンドに定評があります。また近年は新体制のもと基礎力向上に努め、かつての伝統を受け継ぎつつ安定感も増しています。兵庫県内では数少ない全国大会経験校として、地元吹奏楽をリードする存在です。

滝川第二高等学校

滝川第二高校L’ardeur / ロームミュージックフェスティバル2023 / ♪マーキュリー ♪Spring Lady Bird ♪LOVEマシーン ♪Runaway Baby ♪Estancia他
ロームミュージックフェスティバル

最近5年は全国大会に出場していませんが、関西大会常連校です。2015年から2019年まで5大会連続で関西大会金賞という実績もあることから、全国まであと一歩のところにいる学校と言えます。

2019年には「ブリュッセル・レクイエム」(B.アッペルモント)を自由曲に選曲。重厚な表現力で聴かせ、金賞を受賞しました。2023年も関西大会に進み、自由曲「輝宮姫の物語」(樽屋 雅徳)を演奏。金賞を受賞しています。コンクールとマーチングの二刀流で成果を出しているのが同校の特徴。吹奏楽コンクールの好成績に加え、全日本マーチングコンテストでも何度も金賞を受賞しています。一糸乱れぬアンサンブルと華やかなショーステージの両立は、部員の基礎力と表現力の高さの証。悲願の全日本吹奏楽コンクール全国大会へ、初出場が待ち望まれます。

甲子園学院中学校・高等学校

ウインドオーケストラのためのマインドスケープ 甲子園学院中学校高等学校
ウインドオーケストラのためのマインドスケープ/高昌帥

最近5年は全国大会に出場していないものないものの、近年は関西大会で安定して上位の成績を収めています。近年は4年連続で関西大会に出場し、いずれも金賞を受賞。全国大会まであと一歩のところまで迫っている注目校です。

2023年関西大会では「ドラゴンの年 (2017年版)」を演奏。2024年には「バレエ音楽《ガイーヌ》より 前奏曲、友情の踊り、アイシェの孤独、剣の舞、収穫祭」を演奏しました。

繊細なアンサンブルと音色のバランスの良さが同校の特徴です。顧問の的確な指導のもとで、曲の歌心を引き出す表現力も鍛えられています。コンクール以外の演奏会でも安定して実力を発揮している、今後の活躍が楽しみなバンドです。

近江高等学校

近江高校 吹奏楽部 甲子園ブラスバンドフェスティバル2025
甲子園ブラスバンドフェスティバル2025

最近5年は全国大会に出場していません。しかしながら、滋賀県内ではトップクラスの実力を持っています。

2024年には自由曲に「交響詩《天地創造》」(阿部勇一)を選曲し、壮大な表現で会場を魅了。初めて県代表として関西大会に進出し、銅賞を受賞しました。また、2021年の関西マーチングコンテストでは金賞を獲得。2024年の関西アンサンブルコンテストでも打楽器八重奏で金賞を受賞しています。約90名の大編成と甲子園応援で鍛えたエネルギッシュなリズム感が持ち味。コンクールでは毎年ダイナミックで多彩な音色を披露しています。樋口心先生の丁寧な基礎指導と幅広い選曲で、着々と力を伸ばしている新進気鋭の強豪校です。

伝統と革新がせめぎ合う激戦区、関西支部。トップクラスの実力を持つ高校も多いため、テレビなどで聞いたことのある学校もあったかもしれませんね。各校の歩みを知れば知るほど、吹奏楽の奥深さと高校生の可能性には驚かされます。

青春の1ページを吹奏楽にささげる若き挑戦者たち。今年の吹奏楽コンクールでも関西支部の強豪校の活躍を、どうぞお見逃しなく!

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