ヴァイオリニストのイム・ヒョンジェ(Hyun Jae Lim)が1月18日(日)、米フロリダ州ボカラトンで開催された「2026エルマー・オリヴェイラ国際ヴァイオリンコンクール(EOIVC 2026)」にて優勝を飾った。
決勝ではジェラルド・カルニ氏が指揮するリン大学フィルハーモニアと共演し、シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47を演奏。車椅子に座りながらもシベリウスの「ヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47」を圧倒的な表現力で奏で、第1位の栄冠に輝いた。
イム・ヒョンジェは同コンクールで総合優勝に加え、委嘱作品であるメリンダ・ワグナーの「ウッド・スプライト」最優秀演奏賞、イザイ無伴奏ヴァイオリンソナタ最優秀演奏賞も受賞。合計3つのタイトルを獲得する異例の快挙となった。
コロナ禍の事故から約5年8か月、不屈の精神で掴んだ栄冠
7歳で渡米し、名門カーティス音楽院を卒業。早くから国際的な活躍が期待されていたイム・ヒョンジェは、新型コロナウイルスの感染拡大で韓国へ一時帰国していた2020年5月、交通事故に遭った。以後4年以上、演奏の現場から離れ、復帰の時期も見通せない日々が続いた。
キャリアの歯車が大きく狂うなかでも、音楽への意志は揺らがなかった。6回に及ぶ手術を受け、血のにじむようなリハビリに取り組み、2024年6月にヴァイオリンの練習を再開。段階的に舞台へ戻り、2025年12月のソウル国際音楽コンクール優勝で本格復帰を印象付けた。
今回の三冠は、事故後の時間を重ねた準備が結実した到達点となり、積み重ねてきた再起の歩みを「結果」として示すものになった。
シベリウス協奏曲で審査員を魅了した決勝の舞台
決勝では指揮者ジェラルド・カルニ率いるリン・フィルハーモニア(Lynn Philharmonia)と共演。シベリウスのヴァイオリン協奏曲ニ短調作品47を演奏し、審査員から高い評価を得た。
委嘱曲・イザイでも最優秀演奏賞、異例の三冠
イム・ヒョンジェはコンクール委嘱作品であるメリンダ・ワグナーの「ウッド・スプライト」で最優秀演奏賞を獲得。さらにイザイの無伴奏ヴァイオリンソナタでも最優秀演奏賞を受賞し、優勝と合わせて三冠を達成した。
イム・ヒョンジェによるイザイ演奏動画(YouTube)▼
カーティス音楽院卒業から長い沈黙と復活の軌跡
イム・ヒョンジェは名門カーティス音楽院で2020年に学士号を取得。2025年秋に修士課程のため同音楽院に復学し、現在も在籍している。過去にはメニューイン国際コンクール、イマ・ホッグ国際コンクール、シンガポール国際ヴァイオリンコンクールなどで入賞歴を持つ。
YouTube・Violin Channelで全演奏公開中
EOIVC 2026の全ラウンドは、公式YouTubeチャンネル(@eoivc2026)およびThe Violin Channelで配信された。現在もアーカイブ映像として視聴可能となっている。同コンクールは3年ごとに開催され、18歳から30歳までのヴァイオリニストを対象としている。




