2025年12月3日(水)・4日(木)に、第27回日本ピアノコンクールの本選が長野県北佐久郡の軽井沢芸術倶楽部で開催された。 審査の結果、金賞には荒尾絵葉と太田沙耶の2名が選ばれている 。授賞式と披露演奏会は5日(金)に同会場で執り行われ、コンクール期間を通じて参加者たちの熱演が会場を沸かせた。
荒尾絵葉がプロコフィエフとリストで金賞
荒尾絵葉はプロコフィエフ『ピアノソナタ第6番イ長調作品82(“戦争ソナタ”)』とリスト『ハンガリー狂詩曲第2番嬰ハ短調 S.244-2』を演奏し、聴衆を魅了した。『ピアノソナタ第6番イ長調作品82』は複雑なリズムで知られる難曲だが、荒尾はその魅力を余すことなく見事に表現。続く『ハンガリー狂詩曲』でも、力強い表現力で会場を圧倒し、金賞にふさわしい演奏を披露した。
太田沙耶はグラナドスとリストで金賞
一方の太田沙耶は、グラナドスの組曲「ゴイェカス」第1部より『嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす』とリスト 『ピアノソナタ ロ短調 S.178』を選曲し、深い表現力と情景を描く繊細な演奏で審査員の心を掴んだ。特にグラナドスでの叙情的な表現は、荒尾とは対照的な音楽性を示し、両者の個性の違いが金賞のダブル受賞という結果につながったと言える。
銅賞に今泉響平、優秀賞に山﨑夢叶ら5名が入賞
銅賞を受賞した今泉響平は、モスクワ音楽院・同大学院を修了し、ラザール・ベルマン国際ピアノコンクール第1位の実績を持つ。優秀賞には東京藝術大学在学中で第93回日本音楽コンクール第4位の山﨑夢叶ら5名が選ばれた。
15歳以上プロアマ不問、ベーゼンドルファーで競う7日間
同コンクールは11月29日(土)の選抜1次審査から12月5日(金)の授賞式まで7日間にわたり開催された。15歳以上でプロ・アマ不問という門戸の広さが特徴で、会場の軽井沢芸術倶楽部ではベーゼンドルファー グランドピアノ225(92鍵盤)が使用された。
結果の詳細は公益財団法人日本芸術協会の公式サイトで公開されている。



