【東北】吹奏楽コンクール強豪高校10選!【2025最新】

【東北】吹奏楽コンクール強豪高校10選!【2025最新】特集

全国大会へ連続出場を重ねる磐城高や聖ウルスラ学院英智、新勢力のいわき湯本や明桜――。東北の高校生たちは日々楽器と向き合い、全国の晴れ舞台を目指しています。

本記事では東北支部エリアで輝かしい成績を残している10の強豪校を紹介します。最近5年の全国大会出場実績や、各校の特徴・強みをまとめました。2025年10月の全日本吹奏楽コンクールを前に、東北の名門校の軌跡と魅力に迫ります。

目次

聖ウルスラ学院英智高等学校(宮城県)

2023.10.15 聖ウルスラ学院英智高等学校吹奏楽部・組曲「惑星」より ”木星~快楽をもたらす者”/オータムコンサート2023 全国大会出場記念壮行演奏会
組曲「惑星」より ”木星~快楽をもたらす者”/オータムコンサート2023

最近5年の全国大会出場は、2022年、2023年、2024年(2020年はコロナ禍につき大会中止)。1988年に創部された比較的若い部でありながら、通算8回の全国大会出場経験を持ちます。

2023年全国大会では、三善晃作曲「管弦楽のための交響詩《連祷富士》」に挑戦。2024年の同大会では、同じく三善晃作曲の「交響的変容」を力強く演奏しました。両年とも銅賞を受賞しています。

同校の強みは150人規模の大編成から繰り出される豊かな響きと、高い精度の合奏力。洗練された青いブレザーの制服に身を包み、明るく堂々と演奏する姿も印象的です。「日々感謝・己に勝つ・執念」をモットーに幅広いジャンルの曲に果敢に取り組み、「聴く人を笑顔にする」音楽を全国へ届けます。

福島県立磐城高等学校(福島県)

【CD収録】福島県立磐城高等学校 自由曲:白磁の月の輝宮夜/樽屋雅徳 指揮:橋本葉司(第72回全日本吹奏楽コンクール)
白磁の月の輝宮夜/樽屋雅徳

最近5年の全国大会出場は、2021年、2022年、2024年。全国大会出場の歴史は昭和後期までさかのぼり、特に平成以降はほぼ毎年全国大会へ出場している東北支部の重鎮です。全国大会への出場回数は通算23回を誇ります。

2022年の全国大会では、ラヴェル「バレエ音楽《ダフニスとクロエ》 より 若者たちの踊り、全員の踊り」を巧みにまとめ上げ、銀賞を受賞。2024年の同大会では「竹取物語」をモチーフとした樽屋雅徳「白磁の月の輝宮夜」を情感豊かに表現し、銅賞ながら聴衆から大きな拍手を浴びました。

故・根本直人先生ら名指揮者の薫陶を受けた伝統校。現在は橋本葉司先生のもと、日々練習に励んでいます。重厚で豊かな響きが持ち味で、各パートの基礎力が高く、どんな曲でも「磐城サウンド」と称される安定したアンサンブルで聴かせます。地域との繋がりも深く、定期演奏会は毎回満席となる人気。東北の吹奏楽を牽引し続ける存在です。

福島県立いわき湯本高等学校(福島県)

【CD収録】福島県立いわき湯本高等学校 自由曲:ピース、ピースと鳥たちは歌う/伊藤康英 指揮:小山田 浩(第71回全日本吹奏楽コンクール)
ピース、ピースと鳥たちは歌う/伊藤康英

最近5年の全国大会出場は、2023年。同校は、2022年に全国大会常連校の湯本高等学校と遠野高等学校が統合してできました。旧・湯本高校時代からの豊富な実績を受け継ぐ強豪校です。

2023年の全国大会では、伊藤康英作曲「ピース、ピースと鳥たちは歌う」を自由曲に選曲。表現力豊かな演奏で銅賞を受賞しました。2024年はレスピーギ「バレエ組曲《シバの女王ベルキス》」を選曲。全国大会への進出は逃しましたが、東北大会で完成度の高い演奏を披露し、金賞を受賞しました。

短期間で実力を伸ばす指導力と部員の結束力が光ります。特に曲の情景描写や物語性を大事にした表現が得意です。今後、磐城高校とともに福島県を牽引する存在となっていくことが予想される、注目のバンドです。

秋田県立秋田南高等学校(秋田県)

竹取物語/三善晃

最近5年の全国大会出場は、2021年、2022年。コロナ禍で大会中止となった2020年を挟み、2019年から3大会連続で全国大会へ出場しています。昭和中期から現在にかけて全国大会出場回数が30回を超える、秋田の古豪です。

2021年全国大会では自由曲に三善晃「竹取物語」を選び、銀賞を獲得しました。2024年の東北大会でも三善晃「竹取物語より 第二章」を演奏。秋田県代表の座は惜しくも逃しましたが、その演奏は高く評価され金賞を受賞しました。

セクションのまとまりと豊かな音量を両立させているのが同校の強み。難易度の高い現代作品でも緻密な表現力を発揮します。定期演奏会やニューイヤーコンサートの開催にも力を入れています。

ノースアジア大学明桜高等学校(秋田県)

【CD収録】ノースアジア大学明桜高等学校 自由曲:交響曲第1番「悪魔の聖書」より 指揮:石崎聖也(第72回全日本吹奏楽コンクール)
交響曲第1番「悪魔の聖書」より III. 巨大な赤いドラゴン II. 世捨て人ヘルマン IV. 聖なる都市/デヴィッド

最近5年の全国大会出場は、2023年、2024年。東北大会止まりの年が続いていましたが、ここ2年にかけて連続で全国大会に進出。いま勢いに乗っている注目の学校です。

 2023年の全国大会では、J.マッキー作曲「交響曲《ワインダーク・シー》より」を自由曲に選曲。その重厚で情熱的な演奏が評価され銀賞を受賞しました。2024年の同大会では自由曲に「J. M. デヴィッド「交響曲第1番《悪魔の聖書》より」を据え、銅賞を受賞しました。

近年急速に頭角を現したバンドで、部員の士気が非常に高いのが特徴。難度の高いシンフォニック作品に果敢に挑戦し、音楽表現の深みを追求する姿勢が評価されています。持ち前の集中力とチャレンジ精神で全国の舞台を目指します。

青森県立八戸北高等学校(青森県)

最近5年は全国大会に出場していません。しかしながら東北大会での活躍が目立つ、歴史ある強豪校です。1992年と1993年には全国大会にも出場しています。

2023年の東北大会ではアッペルモント「ブリュッセル・レクイエム」を自由曲に選曲。銅賞を受賞しました。2024年の同大会では、高昌帥「吹奏楽のための風景詩《陽が昇るとき》」を選曲し、銀賞を受賞しました。

大人数でありながらアンサンブル力と柔らかなハーモニーに定評がある同校。地域のファンややOBとの交流も大切にしており、定期演奏会にも力を入れています。「北高サウンド」と称される豊潤な音色で、聴衆を魅了し続けています。

岩手県立盛岡第三高等学校(岩手県)

スペイン狂詩曲よりⅣ Feria
スペイン狂詩曲よりⅣ Feria

最近5年は全国大会に出場していないものの、毎年のように県大会代表に選ばれている東北支部大会常連校です。吹奏楽コンクールだけでなくアンサンブルコンテストにも積極的に参加しており、2024年度には打楽器六重奏のメンバーが東北アンサンブルコンテストに進出。銀賞を受賞しています。

2023年の東北大会では、R.ジョージ作曲「ワイルド・グース」を自由曲に選曲。銅賞を獲得しました。2024年は残念ながら県大会止まりでしたが、ボロディン作曲「歌劇《イーゴリ公》より ポーロヴェツ人の踊りと合唱」をダイナミックに演奏し、県大会金賞を受賞しました。

部員数は86人(2024年5月時点)で、大編成ならではの迫力も強みです。代々受け継がれる真摯な練習態度と、曲の構成を的確に描く表現力は高く評価されています。

宮城県多賀城高等学校(宮城県)

多賀城高校「海を越える握手」第21回全日本高等学校吹奏楽大会
海を越える握手/ジョン・フィリップ・スーザ

最近5年は全国大会に出場していませんが、東北大会での上位常連校。近年は2023年、2024年と続けて金賞を受賞しており、全国大会まであと一歩のところまで迫っていると言えるでしょう。2025年2月に開催された東北アンサンブルコンテストに、金管八重奏のメンバーが参加しているのにも注目です。

2023年の東北吹奏楽コンクールでは、自由曲にアッペルモント作曲「ブリュッセル・レクイエム」を選曲。2024年の同大会では、ヤン・デ・ハーン作曲「ガレア・エト・ベルム」を選曲しています。


部員数の多さを活かした迫力あるサウンドと、明るいチームカラーが魅力。基礎合奏から培った安定した音程感とセクションバランスが優れており、大編成ならではの厚みある演奏で聴衆を魅了します。毎年おこなわれる定期演奏会には多くのファンが足を運んでいます。

宮城県仙台向山高等学校(宮城県)

㊗宮城県仙台向山高等学校 吹奏楽部 吹奏楽のための「エール・マーチ」【吹奏楽フェスWeb響演 名場面集 プレイバック9】
吹奏楽のための「エール・マーチ」/宮下秀樹

最近5年は全国大会に出場していませんが、東北大会で上位入賞を続ける実力校。近年は4年連続で東北大会に出場しています。また、アンサンブルやマーチングにも力を入れており、2024年にはマーチングコンテスト全国大会への出場も果たしました。

2023年の東北大会ではスパーク作曲「ドラゴンの年(2017版)」に挑み、銀賞を獲得しました。2024年の同大会では樽屋雅徳作曲「カタリナの神秘の結婚」をドラマティックに演奏し、金賞を受賞しました。

木管・金管セクションのバランスが良く、特に木管アンサンブルの美しさで知られます。学校全体で吹奏楽部を応援する風土があり、生徒たちの結束力も強みです。近年は「歌心」を大切にした音楽づくりで急成長しており、東北大会での躍進が全国からも注目されています。

山形県立山形中央高等学校(山形県)

2023.04.02 山形県立山形中央高等学校吹奏楽部/Spring Joint Concert 〜吹奏楽部合同演奏会〜
山形県立山形中央高等学校吹奏楽部/Spring Joint Concert 〜吹奏楽部合同演奏会〜

最近5年は全国大会に出場していません。しかしながら山形県を代表する実力校で、東北大会での上位常連校です。特に2022年から2024年にかけては連続で金賞を受賞しており、波に乗っています。

2023年の東北大会ではマッキー作曲「吹奏楽のための交響曲《ワインダーク・シー》より」を壮麗に演奏。2024年にはグレアム作曲「メトロポリス1927」を演奏し、観客を沸かせました。

「Blend, Balance, Harmony」を部訓として、日々練習に励んでいます。近年の部員減少にも前向きに対応し、少人数でも豊かな響きを追求。美しいサウンド作りに定評があります。

豊かな自然の中で育まれる「東北サウンド」。そこには、一途に音楽と向き合う高校生の熱い想いが込められています。

2025年10月におこなわれる全日本吹奏楽コンクールでも、若き奏者たちの音楽が、あなたの心に新しい感動と出会いをもたらしてくれるはず。東北の地から全国を目指す彼らの演奏に、ぜひ注目してみてくださいね。

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