仙台国際音楽コンクール、ヴァイオリン部門セミファイナル進出者12名が決定

© 仙台国際音楽コンクール(公式X投稿)
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第9回仙台国際音楽コンクール・ヴァイオリン部門の予選が5月26日まで開催され、全41名の出場者から12名のセミファイナリストが発表された。日本人出場者の中では的場桃が、またアメリカと日本の国籍を持つフィオーナ・キサラ・イヨクもセミファイナルへ駒を進めた。

セミファイナルと今後の日程

セミファイナルは5月30日から6月1日にかけて行われ、12名が仙台フィルハーモニー管弦楽団と協演する。各奏者は協奏曲(メンデルスゾーンまたはドヴォルザーク)に加え、管弦楽曲の指定箇所(モーツァルトのカッサシオン、ブラームス交響曲第1番 第2楽章)をコンサートマスターとして演奏する形式だ。

セミファイナル終了後の6月1日夜にはファイナリスト6名が発表される。その後、6月5日から7日にかけてのファイナルで各出場者が2曲の協奏曲を演奏。上位入賞者3名によるガラコンサートは6月8日に開催される予定だ。

アジア勢の躍進と日本勢の健闘

今回のセミファイナリスト12名にはアジア勢が多数進出し、特に韓国や中国からの出場者が目立つ。日本勢では高校3年生の的場桃が健闘している。的場は第76回全日本学生音楽コンクール中学生の部で優勝した経歴を持つ新星だ。

また、海外を拠点とし日本にルーツを持つフィオーナ・キサラ・イヨクもセミファイナルに進出。先に進んだ的場桃と合わせ、日本にルーツのある演奏者は2名となった。

一方、韓国勢の存在感は際立っており、精緻なテクニックと表現力で国際舞台を席巻する若手が半数近くを占める状況だ。選択協奏曲では、メンデルスゾーンを7名、ドヴォルザークを5名のセミファイナリストが選んだ。いずれも高度な技巧と音楽性を要求されるプログラムであり、各奏者の個性が鮮明になるだろう。

オーケストラ協演と問われる総合力

セミファイナルではオーケストラとのアンサンブル力も問われる。そのため、コンサートマスター役を務める課題でのリーダーシップや音楽的統率力も、重要な評価点となる。今大会は、速報性に加え演奏の質の高さも注目され、聴衆や専門家から熱い視線が注がれている。