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本番

17歳の高校生

過去のコンクールで、緊張から激しく手が震えてコントロールできなくなったことがトラウマになっています。一度震えると「抑えなきゃ」と焦るほど悪化して、頭が真っ白なまま演奏が終わってしまいました。最近では練習中も「また本番でああなったら……」と不安に襲われ、曲に集中できず、手が強張ってしまいます。
ピアノは好きなのに、ステージに立つことを想像するだけで動悸がして、完全に自信を失ってしまいました。どうすればこの身体の震えを克服して、また前のように舞台で弾けるようになるでしょうか?

ピアニスト:恵良

私も全く同じ状態の時期がありました。今でもそのことを思い出して不安になることも少なくありません。
本番中手が震えて怖くなる時もありますが、それを予防するために、私は曲を弾き始める前に口角を上げるようにしています。
お辞儀の時でも、手をピアノに乗せる前でも、ステージに上がる前でもいつでも大丈夫です。緊張で顔が引き攣ってしまっていても、本番中は良い意味でも悪い意味でも自分自身しか味方はいません。緊張している自分のことを、友達に大丈夫と声をかけるつもりで微笑んでみると、少しだけ前向きにピアノと向き合える気がします。
それでも緊張して不安になる時は、思い切ってちょっとした不運のことを思い出しています。今日坂道で躓いたから本番では転けないな、忘れ物をしたから本番できっとバランスが取れるように弾けるんだ、などです。いろんなことを良い方向にこじつけて、うまくいく本番を想像してみると少し気が楽になるかもしれません。


aine

コンクールで、ブルグミュラー18の練習曲から「大雷雨」を弾く予定です。本番目前だというのに、オクターブの猛練習がたたって手首を痛めてしまいました。コンクール目前なのに鈍い痛みと手首が熱を持っている感覚があり、このままでは本番まで手が持たないのでは、と焦っています。
「休ませなきゃ」とは分かっていても、一日でも鍵盤から離れるとせっかく覚えた感覚が消えてしまいそうで……すごく怖いです。無理をして長引かせるリスクと、練習不足で後悔する恐怖の間で葛藤しています。今の状態で、手を労わりつつ演奏の質を維持していくための、よい調整法はありますか?

ピアニスト:恵良

私も全く同じことを経験しました。練習したい気持ちに駆られてとても焦っていたのをよく覚えています。
実は、私たちはピアノを実際に弾いていなくても頭で練習している時があります。どんなに練習してもうまく弾けなかった部分が、次の日突然弾けるようになった、という経験はありませんか?あの部分は難しいな、どうやって弾こうかな、と思っている間に問題が解決するという不思議なことが起こります。
本番前にピアノから離れるのはとても勇気がいることだと思いますが、ピアノを弾かずに頭の中で練習する時間をとってみてはいかがでしょうか。

練習

ピアノ好きな会社員

仕事が忙しくて練習時間が思うように取れず、焦りばかりが募っています。 疲れた状態でピアノに向かっても、同じところで何度もミスを繰り返してしまい、効率の悪さに落ち込む毎日です。
今年は念願のコンクールに出てみたいと思っているんですが、「弾きたい曲」に挑戦するべきでしょうか。それとも現実を見て「弾ける曲」にレベルを落とすべきでしょうか。
限られた時間の中で、自分の情熱と完成度のどちらを優先すべきか、踏ん切りがつきません。今の状況を打破して前向きに取り組むためのアドバイスをいただけると助かります。

ピアニスト:恵良

弾きたい曲に挑戦したい気持ち、完成度を重視したい気持ち、どちらも共感できます。本番の曲選びは練習のモチベーションにも繋がるので、私の場合、最終的には弾きたい曲を選んでしまうことが多いです。
限られた時間の中で、曲を仕上げなければならないとき、私はよくその曲の旋律を歌うようにしています。
ピアノに向かう時間は譜読みや表現の練習に使い、家事をしている間やドライヤーの時間に音名で歌っています。音名で歌うと、旋律が頭に入り、暗譜の助けになるのはもちろん、歌えない部分はピアノでも弾けていないことが多いので、効率的な練習にも役に立ちます。
歌えないところに出会ったら、楽譜を確認して口で言えるようにすると、実際楽器で練習する時も弾きやすくなることが多いです。時間が確保できないとどうしても不安になりがちですが、音が出せない時間にいつもより多く音楽のことを頭の片隅に置いておくと普段より短い練習時間で上達を感じられるかもしれません。弾きたい曲に挑戦する時の一助となれば嬉しいです。


メンタル

社会人5年生

大人になってピアノを始めました。ピアノ歴は3年です。そろそろ憧れだったコンクールにチャレンジしてみたいのですが、「自分のようなレベルで挑戦してもいいのか」「場違いじゃないか」という不安があって踏み出せません。
「趣味の範囲で楽しめばいい」と自分に言い聞かせつつも、挑戦したい気持ちと、酷評されるのを恐れる気持ちが両方あり、心が揺れています。そもそもコンクールとは、特別な才能がある人だけが許される聖域のように感じてしまって……。
勇気を出して前向きにステージに向き合うにはどうすればいいでしょうか?

ピアニスト:恵良

どんな雰囲気なのかわからなくて不安という気持ち、よくわかります。
コンクールは人前で演奏をすることができる貴重な機会であり、この先の勉強にも繋がる場でもあります。
もしかすると、挑戦してみると人前で演奏することが好き、ということに気がつくかもしれないですし、思っていたよりも緊張しいなんだな、と感じるかもしれません。ピアノコンクールを通じて、自分の性格の新たな一面に出会える可能性を感じると、なんだか興味が湧いてきませんか?
また、コンクールの場で音楽という共通の趣味を持つ知り合いができるかもしれません。コンクール、という名前がついているとどうしても大きいもののように感じますが、自分の音楽への気持ちを伝える場だと思ってみると身近に感じられるかもしれません。


鍵盤パンダ

本番中、一か所ミスをしてしまうと途端に頭が真っ白になり、パニックになってしまいます。
「失敗した!」と思った途端に心拍数が跳ね上がり、練習では完璧だったところまで雪崩のように崩れていきます。
一度流れが止まると、今どこを弾いているのかさえ分からなくなり、まるで音楽がバラバラになっていく感覚……。 立て直そうと焦れば焦るほど指が空回りし、結局最後までボロボロのまま演奏が終わってしまうのが、本当に情けないです。
「ミス=終わり」という固定観念が消えません。 どうすれば一時のミスを引きずらず、冷静に音楽をつなぎ止めて最後まで弾ききることができるのでしょうか。

ピアニスト:恵良

私自身、同じ状況に陥ったことが何度もあります。
ミスをすることが怖くて、表現に集中できなくなって落ち込むこともありました。そこで、私の先生がレッスン中教えてくださったことを紹介させてください。ミスは良い音楽をしようとした結果なのだから、落ち込まないで!とのことです。どういうことかというと、表現に集中するあまり、ミスタッチをしてしまったとしてもそれは問題ない、ということです。それからは伝えたい表現をする、そこで失敗してもやりたいことをやったのだからなんてことない、という気持ちで弾けるようになりました。上手な演奏の細かい一部分を切り取って、ここがうまくいってないからダメだ、ということがないように、一つの部分の綻びは全体で見れば顕微鏡で拡大しないと見えないようなものだと考えるようにしています。ミスは音楽を破綻させる敵ではなく、少し厄介な友達だと思うと、ミスに対する考え方が変わるかもしれません。

その他

鍵盤パンダ

コンクールに向けて半年間同じ曲を練習しています。正直なところ飽きてきてしまい、マンネリ感に悩んでいます。
あんなにときめいていた旋律なのに、今は義務のように指を動かすだけ。本番が近づくにつれて「もっと深めなきゃ」と焦る反面、どうしても新鮮な気持ちでピアノに向かうことができず、そんな自分が本当に悲しいです。練習をしていてもどこか他人事のような演奏に感じられ、この一音一音に心を込める感覚を忘れてしまったように思います。
どうすればもう一度、この曲と出会った頃のようなワクワクした気持ちを取り戻して、ステージまで駆け抜けることができるでしょうか。長い期間、一曲を大切に温め続けるための心の保ち方や、ちょっとした気分転換のヒントをいただけたら嬉しいです。

ピアニスト:恵良

長期間同じ曲をやると、疲れてきますよね。飽き性の私にとって、1つの曲をずっと弾き続けることはとても大変で、同じような状況に陥ったことが多々あります。
私がよくやっていることは、思い切ってその曲の練習の期間を空けてみる、ということです。一通り弾けるようになって安定してきたら、しばらくの期間別の曲に取り組みます。
本来のレパートリーに必要な技術を伸ばすための曲、自分が好きな曲、気分によってまちまちです。そうしてまた本来やるべきだった曲を練習すると、表現の部分で以前思いつかなかったアイデアが浮かんできたり、曲の流れが掴みやすかったりします。そしてやっぱりこの曲はいい曲だなあ、と思えます。
同じ曲に長期間取り組むと、曲を知りすぎてしまって、曲に感動できなくなってしまうこともあると思います。いつも曲に感動するためには、自分自身が曲の美しさを感じられなくなる前に、違う種類の曲の感動を取り入れて、バランスを取ると良いのでは、と思います。