2025年12月21日 (日)、高崎芸術劇場音楽ホールで行われた「第26回北関東ピアノコンクール」にて最優秀者賞、【中学1・2年生の部】第1位、朝日新聞社賞を受賞された助川さん。今回は同コンクールをはじめ、これから音楽コンクールに挑戦する方に向けてお話を伺いました。
取材・文|編集部
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プロフィール
助川恵杜(Keito Sukegawa)
神奈川県出身 横浜市立新羽中学校2年
6歳年上の姉(現音大生)の影響を受け、母のお腹の中にいた頃から毎日ピアノの音色を聴いて育つ。自身がピアノを志した時には、すでに姉がショパンを弾き始めていたこともあり、幼少期から「ショパンを弾きたい」という想いを胸に鍵盤に向き合ってきた。
中田亮子氏、門倉美香氏に師事。
趣味・特技
料理・ダンス・ゲーム(ゲーム音楽を弾く)
受賞歴
第26回北関東ピアノコンクール
最優秀者賞、【中学1・2年生の部】 第1位、朝日新聞社賞
第1回アジアピアノコンペティション
【カテゴリーD】銀賞
日本クラシック音楽コンクール 全国大会
第29回【低学年男子の部】入選
第31回【中学年男子の部】入選
PIARAピアノコンクール ファイナル
第22回【プリティ部門】入選
第27回【ジュニアC部門】入選
■ 演奏・社会貢献活動
2019年より、姉と共に介護施設への慰問演奏活動を継続して行う。現在は長期休暇を利用して年間10回ほど開催。ピアノ演奏にとどまらず、ダンスや司会も自ら務めるなど、多角的なパフォーマンスを通じて地域の方々との交流を深めている。
北関東ピアノコンクールを終えて
──コンクール、お疲れさまでした!終えた今のお気持ちをお聞かせください。
助川
弾き終えた最後の瞬間は、結果(勝敗)は関係なく、自分のやりたいことを精一杯表現できたことに喜びを感じていました。
最優秀者賞と朝日新聞社賞、中学1・2年生の部第1位という3つの賞をいただいた時は、喜びよりも先に驚きが来ました。コンクールから数日経ち、ようやくじわじわと実感が湧いてきています。ただ、心の中ではまだ『なぜ自分が?』と不思議に思っている部分もあり、それはこれからの『伸びしろ』だと捉えて、より一層真摯にピアノに向き合わねばと気を引き締めています。
日頃から根気強くご指導くださっている先生方には、感謝の気持ちでいっぱいです。
──なぜこのコンクールに挑戦しようと思われましたか?
助川
先生からの勧めもありましたが、高崎芸術劇場がとても素晴らしいホールだというお話を伺っていたので、『ぜひこの舞台で演奏してみたい』と思ったのがきっかけです。
──自由曲は何を演奏されましたか?選曲理由も教えてください。
助川
ヒナステラ作曲の『アルゼンチン舞曲集 作品2』より、第2曲『優雅な乙女の踊り』と第3曲『はみだし者のガウチョの踊り(ガウチョの踊り)』を演奏しました。
もともと、民族音楽や近現代の楽曲にも面白さを感じています。この曲の楽譜を初めて見た時は、右手と左手で調号が異なる点などに戸惑いもありましたが、独特のリズムは弾けば弾くほど心地よく、楽しみながら取り組むことができました。
また、準備にあたってヒナステラ国際協会の名誉会長であるエドゥアルド・デルガド氏のコンサートへ足を運び、直接レッスンを受ける機会をいただきました。デルガド氏が奏でる繊細で儚い音の響きを再現できるよう、意識しました。
──コンクール準備期間について教えてください。
助川
難しい曲でも、まずは楽しむようにしています。そして、弾けるようになった時は思いきり喜ぶこと。また、コンクールの曲だけでなく、自分の好きなフレーズだけを弾いて楽しんだりするととてもリラックスします。
──練習をするにあたって、どのようなことに気を付けましたか?
助川
何よりも曲の持つイメージを大切にしました。 『優雅な乙女の踊り』では、揺れや踊りのの中に乙女の持つ柔らかさを。『ガウチョの踊り』では、特にリズム感や血気盛んな青年たちの勢いを表現し、対照的な2曲のコントラストを際立たせるよう意識しました。
僕は男性ですので、乙女の優雅さを表現することには難しさも感じました。また、本番を想定した練習という点では、介護施設での演奏活動が大きな力になりました。聴いてくださる方々の温かい反応が、本番の舞台に立つための自信に繋がったと感じています。
──本番当日のお気持ちをお聞かせください。
助川
自宅から会場まで少し距離があったので、移動中の電車内では本に熱中して過ごしていました。他のコンクールの際もそうなのですが、当日はあまり本番のことを考えすぎず、別のことを楽しむようにしています。
もちろん緊張はしますが、僕はこれまで慰問演奏で多くの本番を経験させていただいてきたので、その積み重ねが緊張を乗り越える力になりました。『緊張に負けるよりも、この素晴らしいホールでこの曲を楽しもう』という気持ちの方が強かったと思います。
会場となった高崎芸術劇場は、全体のデザインがとても素敵でした。音がよく響くホールだったので、歯切れよく演奏することを意識しました。
──北関東ピアノコンクールに挑戦する方へのメッセージをお願いします。
助川
あれこれ考えすぎてしまうと、音に迷いが生じたり、響きが硬くなったりしがちです。本番では間違いを恐れず、自分が作り上げてきた音楽を信じて、自信を持って楽しんで弾いてください。
──今後の目標、将来の夢などをお聞かせください。
助川
まずは、弾きたい曲がいっぱいありすぎて迷っています!
将来の夢は、人を楽しませることのできる奏者になることです。そのために、これからも様々な経験を積み重ねていきたいと思います。ピアノだけでなく、他の楽器の音楽にも積極的に触れて交流を広げたり、クラシック以外のジャンルも楽しみ、自分の表現を磨いていきたいです。
いつか、聴いてくださる皆さんに感動と笑顔を届けられるようなコンサートをたくさん開催することが目標です。
インタビューを終えて──編集後記
最優秀賞という素晴らしい結果を前にしても、真っ先に「なぜ自分が?」と驚いてしまう。そんな助川さんの真っ直ぐで謙虚な言葉からは、ピアノに対するどこまでも純粋な向き合い方が伝わってきました。
難しい曲に戸惑いながらも「弾けば弾くほど楽しい」と目を輝かせ、憧れの音色を一生懸命に追い求める。その瑞々しい探究心こそが、今回の輝かしい受賞に繋がったのだと感じます。 また、本番の緊張を乗り越えられた理由に「介護施設での演奏経験」を挙げていたのがとても印象的でした。聴いてくださる方の笑顔を力に変えてきた経験が、あの大舞台を心から楽しむための大きな原動力になったのだと思います。
「弾きたい曲がありすぎて迷う」と話す助川さんが、これからどんな素敵な演奏家になっていくのか今から楽しみで仕方がありません。これからのご活躍を心から応援しています。貴重なお話をありがとうございました。
第26回北関東ピアノコンクールの概要については下記をご覧ください。
第26回北関東ピアノコンクールの結果については下記をご覧ください。





