第15回エリーゼ音楽祭全国大会が、2025年12月22日(月)から24日(水)までの3日間、東京・銀座の王子ホールで開催された。クラシックやポピュラー・ジャズなど全8部門で審査が行われ、エリーゼ大賞13名、金賞53名、審査員特別賞12名など、総勢100名を超える入賞者が決定している。
全国8会場の予選を勝ち抜いた精鋭が集結
今大会では、東京、関東、北海道、神戸、広島、横浜、名古屋、福岡の全国8会場で予選が実施された。例年を上回る参加者数を記録する中、各予選で優秀賞を獲得した出場者が、憧れの王子ホールのステージでその研鑽の成果を披露した。
部門別・金賞受賞者一覧
本大会では「”音学”ではなく”音楽”を」というモットーのもと、技術だけでなく、演奏者の個性や情念が色濃く反映された部門構成が特徴である。
クラシックピアノ部門(金賞26名)
全部門中最多の26名が金賞を受賞し、うち3名がエリーゼ大賞に選出された。初級から上級まで幅広いレベルの愛好家が、日頃の練習の成果を余すことなく発揮している。
エリーゼ大賞: 萬 綾子、山本 明子、川崎 彩花里
エリーゼ部門(金賞4名)
ベートーヴェンの「エリーゼのために」程度のレベルから挑戦できる本部門では、4名が金賞を獲得した。
エリーゼ大賞: 石川 和宏
プラチナ部門(金賞6名)
シニア世代を中心とした本部門では、人生経験に裏打ちされた深い音楽表現が会場を魅了した。
エリーゼ大賞: 梅原 栄子
ポピュラー・ジャズピアノ部門(金賞9名)
即興演奏やジャンル特有のスウィング感が評価され、個性豊かな9名が金賞を受賞している。
エリーゼ大賞: 福島 秀人、岸本 昌代
連弾・アンサンブル・リサイタル・映像部門
2人で音楽を作り上げる喜びや、他楽器との調和、さらには動画提出による新しい参加形式など、多彩なスタイルで音楽の可能性が示された。
エリーゼ大賞
連弾: 神前 吾郎・細川 陽子 ペア
アンサンブル: 茂木 香奈枝
リサイタル: 佐野 淳子・佐野 和香菜 ペア
映像: 岡田 雄生
大会のハイライトと独自の試み
新設「リサイタル部門」の定着
今回から「マスター部門」に替わって設けられたリサイタル部門では、長時間のプログラムを1組で完遂する構成力が求められた。
視聴者参加型の「映像部門」
2023年に新設された映像部門は、公式YouTubeチャンネルでの反響も選考基準に含まれるユニークな仕組みを採用している。遠方やストリートピアノからの参加も可能で、門戸の広いコンクールとして発展を続けている。
音楽を通じたコミュニティ
15歳以上のアマチュアを対象とする本音楽祭では、審査後の懇親会も大きな魅力の一つ。受賞の喜びを分かち合い、次なる挑戦へ向けて交流を深める姿が各所で見られた。
全国大会の結果の詳細は、公式サイトの最新情報欄で公開されている。



