第18回音の夢ピアノコンクール【自由曲コース】グランプリ/小学5・6年部門第1位 平野郁花さんにインタビュー!

平野郁花さまアイキャッチ

2025年10月11日(土)・12日(日)鳥栖市民文化会館 小ホールで行われた「第18回 音の夢ピアノコンクール」自由曲コースでグランプリ、さらに小学5・6年部門 第1位を受賞された平野さん。今回は同コンクールをはじめ、これから音楽コンクールに挑戦する方に向けてお話を伺いました。


取材・文|編集部

自分にピッタリな音楽コンクールが見つかる!国内外の音楽コンクール情報や結果まとめをわかりやすくご紹介し、次世代の音楽家や音楽ファンの皆様に寄り添います。


プロフィール

平野郁花(Fumika Hirano)

長崎県佐世保市在住、小学校5年

幼稚園年少(3歳)から音楽教室に通い始める。
年中(4歳)から現在まで牛島真喜子氏に師事。

趣味・特技

・文房具店や雑貨店めぐり
・シール帳のシール集め
・お笑いの動画を見ること(ロバート秋山さん推し!!)

受賞歴・演奏活動歴(抜粋)

九州国際バッハ音楽コンクール
第14回(2020)ジュニア準グランプリ
第15回(2021)ジュニアグランプリ
第16回(2022)ジュニアグランプリ
第17回(2023)Ⅲ部門 第1位
第18回(2024)Ⅳ部門 第1位

日本バッハコンクール
第13回(2022年度)小3・4年 Cコース 全国大会:金賞/ベスト賞

ピティナ・ピアノコンペティション
A1級(2022)全国大会 入選
B級(2023)全国大会 ベスト賞
C級(2025)全国大会 ベスト賞

カワイこどもピアノコンクール(九州大会)
2021 ソロ Cコース 銅賞
2022 ソロ Cコース 銀賞
2023 ソロ Cコース 銀賞
2024 ソロ Bコース 金賞

フッペル鳥栖ピアノコンクール
2024 ジュニア Aコース(小3・4年)第3位

ながさき “若い芽” のコンサート
第39回(2025)出演

音の夢ピアノコンクール
第18回(2025)【自由曲コース】グランプリ、小学5・6年部門 第1位

音の夢ピアノコンクールを終えて

平野郁花さま
第18回音の夢ピアノコンクール全国大会グランプリ受賞

──コンクール、お疲れさまでした!終えた今のお気持ちをお聞かせください。

平野
ありがとうございます!「音の夢ピアノコンクール」に出場するのは初めてでした。

自分の順番を待つ間、同じ部門の方々の演奏を聴き、「難しい曲を選ぶ方が多く、レベルが高いなあ、上手だなあ」と感じました。そのような中で1位をいただいただけでなく、グランプリに選んでいただけたことは、嬉しくもあり、驚きでもあります。日頃から全力でご指導くださる先生に、心より感謝いたします。

──なぜこのコンクールに挑戦しようと思われましたか?

平野
本コンクールを受けた理由はいくつかあります。まず一つ目は、全国大会の審査員の先生方が、小川典子先生をはじめ、たいへん著名な先生方で、審査とともに貴重なアドバイスをいただけるからです。日頃からYouTubeで演奏の参考にしている先生に実際に聴いていただけることも楽しみでした。

二つ目は、審査の演奏時間が比較的長いことです。私は小学5・6年自由曲コースでしたが、課題曲と自由曲で制限時間が11分ありました。長い曲を演奏できるのは、ステージでの実践的な経験を積むうえでも良い機会だと考え、挑戦しました。

──自由曲は何を演奏されましたか?選曲理由も教えてください。

平野
ブリッジ作曲『おとぎ話組曲』より、第1曲「王女」、第2曲「鬼」、第4曲「王子」を演奏しました。
この曲は、手の小さい私でも無理なく弾けて、王女・鬼・王子それぞれのキャラクターの違いを弾き分ける面白さがあり、”小学生の今の感性に合っているのでは?”と先生に薦めていただきました。音源を初めて聴いたときから「華やかでかっこいい!」と思い、すぐに大好きになりました。

「王女」はハープのような音色と愛らしさ、「鬼」は不気味に追いかけてくるような迫力、そして「王子」はさわやかさと華やかさ…それぞれを表現できるように、「王女はどんなドレスを着ているのかな?」「鬼は進撃の巨人みたいに迫ってくるのかな?」「王子はおしゃれでかっこいい素敵な王子にしよう!」とイメージしながら練習しました。

──コンクール準備期間について教えてください。

平野郁花さま
第39回ながさき若い芽のコンサート / 浦上天主堂

平野
この夏から秋にかけては、ほかのコンクールにも多数エントリーしていたため、練習する曲数が多く、日程・練習時間・体力の面でも非常にハードなスケジュールでした。そんな中、私のスケジュールを中心に家族が調整し支えてくれたおかげで、乗り切ることができました。

──練習をするにあたって、どのようなことに気を付けましたか?

平野
練習については、日程の近いコンクールを優先して組みつつ、『おとぎ話組曲』にも本番まで継続して取り組みました。イメージや雰囲気だけが先行しないよう、基本の片手練習や部分練習も欠かさず行いました。

──本番当日のお気持ちをお聞かせください。

平野
いつもコンクール当日の朝には、先生がLINEで応援の言葉と、かわいい動くスタンプを送ってくださいます。先生からのスタンプを見て、甘いチョコレートを食べて気持ちを落ち着かせるのが本番前の私のルーティンです。

本コンクール当日の朝にも「ファンタスティックな物語の世界を表現してくださいね!」とメッセージをいただき、『おとぎ話』の三曲を通して、その物語をピアノで聴いている方に届けよう、と心に決めました。

──音の夢ピアノコンクールに挑戦する方へのメッセージをお願いします。

平野さま・小川先生
第18回音の夢ピアノコンクール全国大会グランプリ受賞後小川典子先生と

平野
コンクールで弾く曲だけでなく、日々の基礎練習を欠かさず行うことが大切だと思います。
「練習は本番のように、本番は練習のように」を心掛けています。
練習時間の長さも重要ですが、それ以上に質を高めることを意識するよう、母からいつも言われています。

──今後の目標、将来の夢などをお聞かせください。

平野
今は手が小さく、弾きたい曲と弾ける曲にギャップがあるのが悩みです。けれど、次から次へと「弾きたい曲」が湧いてきて、最近はピアノがますます面白くなってきました。

将来の夢は、ピアニストになってオーケストラとコンチェルトを演奏することでした。今回、入賞記念コンサートでコンチェルトを弾く機会をいただき、まるで夢のようで、私も家族も興奮しています。初めてのコンチェルトで不安もありますが、必ずやり遂げられるよう全力で頑張ります。

これからの夢は、大好きな音楽の道を歩み続けることです。

全国大会 自由曲コース グランプリ
ⓒ音の夢ピアノコンクール
平野郁花information

・2026年1月4日(日)長崎県美術館 2階ホール
YOUNG ARTIST CONCERT Vol.5
〜2026年、年の始まりを、1月生まれの作曲家の作品とともに〜

・2026年3月29日(日)アクロス福岡 シンフォニーホール
“コンチェルトの競演” 夢コンサート

インタビューを終えて──編集後記

等身大の言葉で語られるお話と、そこににじむ感謝の気持ちから、優しい熱量が真っすぐ伝わってきました。ブリッジ《おとぎ話組曲》では、王女・鬼・王子それぞれの雰囲気を音で描き分けようとする想像力が、とても生き生きしています。

準備面では、直近の本番を優先しつつ基礎を欠かさない設計、そして先生のスタンプとチョコレートというルーティンが微笑ましく、同時に実践的でした。手の小ささゆえに今できる最善を選び抜くまなざしも、音楽家として大切な資質だと感じます。

入賞記念で迎える初めてのコンチェルトは、きっと“夢の一歩目”。不安を抱えながらも「やり遂げる」と言い切れる芯の強さに、次の舞台の音色が楽しみになりました。どうかこのまま“好きの火”を大切に。日々の基礎、丁寧な想像、そして周囲への感謝が、これからの一音一音をさらに豊かにしてくれるはずです。

お忙しいところ、素敵なお話をありがとうございました。今後のご活躍を心より応援しています。

第18回音の夢ピアノコンクールの概要については下記をご覧ください。

第18回音の夢ピアノコンクールの結果については下記をご覧ください。