2025年8月3日(日)、青葉区民文化センター「フィリアホール」で行われた「第19回フレッシュ横浜音楽コンクール【大学生S部門】において金賞、審査員特別賞を受賞した藤﨑さん。今回は同コンクールをはじめ、これから音楽コンクールに挑戦する方に向けてお話を伺いました。
取材・文|編集部
自分にピッタリな音楽コンクールが見つかる!国内外の音楽コンクール情報や結果まとめをわかりやすくご紹介し、次世代の音楽家や音楽ファンの皆様に寄り添います。
プロフィール
藤﨑真央(ふじさき まお) Instagram
島根県出身
東京藝術大学音楽学部附属音楽高等学校を経て、東京藝術大学音楽学部 器楽科ピアノ専攻1年在学中。
東京藝大ジュニア・アカデミー第4期生。
自宅にピアノがあり、幼少期より自然と音楽に親しむ。
津田裕也、高橋いつき、角野裕、鈴木弘尚 各氏に師事
趣味・特技
日々の楽しみは愛犬と一緒に遊ぶこと。
受賞歴・演奏活動歴
第2回クロンベルク国際ピアノコンクール:優秀賞。
第4回 WPTA スペイン国際ピアノコンクール:第1位。
第21回パドヴァ国際音楽コンクール:第1位。
2024 Elevato ピアノコンクール:第1位。
第14回岐阜国際音楽祭コンクール:第1位。
2024 オルベテッロ国際ピアノコンクール:第1位。
第19回フレッシュ横浜音楽コンクール:金賞・審査員特別賞。
このほか、国内外の多数のコンクールで入賞。
参加プログラム/マスタークラス:茨城国際音楽アカデミー in かさま
Morningside Music Bridge 2023(ボストン)
第9回仙台国際音楽コンクール公開マスタークラス。
共演(ソリスト):ウィーン・オペラ舞踏会管弦楽団、ロンドン・シティ・フィルハーモニック、藝大フィルハーモニア管弦楽団。
フレッシュ横浜音楽コンクールを終えて
ーーコンクール、お疲れさまでした。コンクールを終えて今現在のお気持ちをお聞かせください。
藤﨑
今回、金賞と審査員特別賞をいただけてとても嬉しく感じます。本番では自分が思っていた通りに表現できなかったところや、悔いが残る部分もありましたが、もっと練習の仕方や表現の幅を広げていかないといけないと思えて、次に向けての大きな刺激になりました。全体としては、自分の音楽を聴いて、評価していただけたことや、本選の舞台で演奏できたことがとても良い経験になりました。
ーーなぜこのコンクールに挑戦しようと思われましたか?
藤﨑
大学に入学したタイミングで、自分の今の力を試す場として挑戦しました。様々な舞台で経験を積んで、自分をもっと成長させたい気持ちもありました。
ーー自由曲は何を演奏されましたか?選曲理由も教えてください。
藤﨑
今回演奏したのは、スクリャービンの練習曲 作品2-1と、リストの超絶技巧練習曲 第10番です。スクリャービンは10代で書かれた作品ですが、若い頃の作とはいえ深い抒情と情感が込められており、自分の音楽の中で大切にしたい「歌」を出せる曲だと思い、選びました。
一方、リストは華やかでダイナミックな要素の強い曲です。この2曲を組み合わせることで、同じ練習曲という括りでも、内面的な表現と外面的なエネルギーという対照的な音楽を聴いていただけると考えましたし、自分の幅を示せるプログラムにしたいと思い、選びました。
ーーコンクール準備期間にこころがけたことは何かありますか?
藤﨑
藝大に入り、環境が変わるなかでの準備でしたが、曲の理解を深めることに時間をかけました。リストは中学生のときにも取り組んだ曲だったので、どのように表現したいか、音楽をどう運ぶのがよいかを考えながら取り組みました。
ーー練習をするにあたって、どのようなことに気を付けましたか?
藤﨑
音楽の流れを大切にしながら、音色の幅や表現の方向性を意識しました。また、リストでは無理のないテクニックで弾けるよう身体の使い方に気を付けました。
ーー本番を迎えた当日のお気持ちをお聞かせください。
藤﨑
緊張はほとんどせず、舞台で演奏できる楽しみのほうが強かったです。もちろん、すべてが思い通りにいったわけではありませんが、集中して演奏に臨むことができました。
ーーフレッシュ横浜音楽コンクールに挑戦する方へのメッセージをお願いします。
藤﨑
自分が本当に伝えたい音楽を持って舞台に立つことが、大切だと思います。
ーーー今後の目標などをお聞かせください。
藤﨑
これからも多くのステージに立ち、自分の音楽を少しずつ磨いていきたいと思っています。今回のコンクールを通して、まだまだ課題があることも感じたので、技術面はもちろん、表現の幅や聴く方に伝わる音楽について、もっと追求していきたいです。将来的には、聴いてくださる方の心に残る演奏をすることが一番の目標であり、コンサートやコンクールを通して、音楽の楽しさや魅力を多くの人に伝えられる演奏家になりたいです。
スクリャービンは内側の「歌」、リストは外へ向かうエネルギー。二曲を並べたことで、藤﨑さんが今大切にしている音の姿が伝わってきました。藝大という新しい環境でも、まず作品理解にじっくり時間をかけたこと、そして本番で“楽しみの方が強かった”という言葉がとても印象的でした。
「本当に伝えたい音楽を持って舞台へ」という言葉は、これから挑戦する人の背中をやさしく押してくれるはず。次のステージでどんな“音のことば”を聴かせてくれるのか、楽しみです。
お忙しいところ、ありがとうございました。今後のご活躍を心よりお祈り申し上げます。
•2025年10月12日:プラザノースwith you コンサート(埼玉県さいたま市北区)
•2025年12月6〜8日:イタリア3都市(ヴェネツィア、パドヴァ、アーバノテルメ)招待演奏に出演予定。
•12月14日:フレッシュ横浜音楽コンクール受賞者記念コンサート(横浜市フィリアホール)
2026年3月13日:東京藝術大学ランチタイムコンサート(カワイ表参道コンサートサロン「パウゼ」)
第19回フレッシュ横浜音楽コンクールの概要については下記をご覧ください。
第19回フレッシュ横浜音楽コンクールの結果については下記をご覧ください。