第35回日本クラシック音楽コンクール全国大会【弦楽器4部門】結果発表

第35回日本クラシック音楽コンクール全国大会、弦楽器4部門結果発表

第35回日本クラシック音楽コンクールの弦楽器4部門(ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス、チェロ)の全国大会が、2025年12月3日〜18日にかけて東京都内で開催され、各部門で入賞者が決定した。

全国47都道府県から予選を勝ち抜いた若手演奏家が集結

当コンクールは全国で予選会を実施し、本選を経て全国大会へと進む3段階の審査形式を採用している。第35回となる今大会では、府中の森芸術劇場、所沢市民文化センター ミューズ、かつしかシンフォニーヒルズの3会場が舞台となった。

ヴァイオリン部門は幼児~大学の部で入賞者多数

幼児の部は、景山まり華が第1位。小学校は、低学年・中学年で1位該当者なしの一方、高学年は栗原澄が首位に立った。中学校の部は、中村あさひが第1位を獲得し、高校・大学・一般はいずれも第1位なしの結果となった。どの部門も同順位入賞者が多く、競争の激しさを示した。

ヴァイオリン部門の結果の詳細は公式サイト入賞者一覧にて公開されている。

ヴィオラ部門は尾崎が大学の部で第2位

大学の部において、尾崎 晴野(東京藝術大学1年)が第2位で最高位を獲得し、第3位には福田 羽希(桐朋学園大学3年)が入賞した。その他の部門では、第1位から第5位まで該当者なしという非常に厳しい評価となっている。

ヴィオラ部門の結果の詳細は公式サイト入賞者一覧にて公開されている。

コントラバス部門は大学の部で長が最高位

大学の部では、長 来美(東京音楽大学4年)が第2位(最高位)を獲得した。このほか、中学校の部で第3位、高校の部で第3位から第5位、大学の部で第3位・第5位にそれぞれ入賞者が誕生している。

コントラバス部門の結果の詳細は公式サイト入賞者一覧にて公開されている。

チェロ部門は第3位が最高位に

幼児から一般まで、全部門において第1位および第2位が該当者なしという異例の結果となった。小学校低学年、小学校中学年、中学校、大学の各部で第3位に入賞した奏者が最高位である。上位を空位とする審査姿勢からは、技術面・芸術面における妥協のない選考基準がうかがえる。

チェロ部門の結果の詳細は公式サイト入賞者一覧にて公開されている。

本大会のハイライト

厳格な審査基準と「第1位」の重み

弦楽器4部門全体を通して第1位の選出は極めて限定的であり、審査基準の高さが浮き彫りとなった。ヴァイオリン部門では一部の若年層で1位が出たものの、ヴィオラ、コントラバス、チェロの3部門では最高位が第2位または第3位に留まっている。

中学生から大学生までの健闘が光る大会に

今大会では中学生から大学生までの健闘が目立った。ヴァイオリン部門では中学校の部で第1位が誕生し、高校の部でも複数名が上位に並んだ。大学の部ではヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバスで音大・総合大学で研鑽を積む学生が上位に入り、専門的な教育を受ける学生の安定した演奏力が評価された。

地域別では関東・関西勢が存在感を示す

首都圏や関西圏の音大・専門校関係者が存在感を示す一方で、地方からも着実に入賞者が出ている。全国レベルでの競争を通じて、各地域の教育水準の高さが改めて証明される形となった。

おわりに

コンクールの結果は一つの指標であるが、大切なのはその舞台に立つまでの努力である。どのような結果であれ、その過程で抱いた想いと丁寧に向き合うことで、次の挑戦への道がしなやかに拓けていくだろう。

結果の詳細は日本クラシック音楽コンクール公式サイトの入賞者一覧ページで公開されている。